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ライオンの新社長に濱逸夫常務

ライオンは10月28日、東京・帝国ホテルにおいて記者会見を開催し、新経営ビジョン「Vision2020」と中期経営計画「V-1計画」について発表するとともに、同日開催の取締役会において、2012年1月1日付けで新たな代表取締役社長に濱逸夫(はま・いつお)常務取締役を選任したことを明らかにした。藤重貞慶社長は代表取締役会長、最高経営責任者に就任する。会長を「取締役会議長・最高経営責任者」、社長は「最高執行責任者」とし、役割分担を明確にする。
 濱氏は、昭和29年3月14日生まれの57歳。昭和52年にライオン入社後、28年間研究畑を歩み、平成16年にハウスホールド事業本部ハウスホールド第一研究所長に就任した。その後、平成18年に家庭品事業部門ハウスホールド事業本部ファブリックケア事業部長に就任し、マーケティング関連の業務に移り、平成20年に取締役、ハウスホールド事業本部長、同22年に常務取締役に就任した。濱氏は、研究者として、「ナノックス」の原料である界面活性剤MEE(メチルエステルエトキシレート)の工業化を可能にした金属触媒の開発で大きな功績を挙げている。
 濱氏は「120年の長い歴史を持つライオンの代表取締役社長に選任され、重い責任を感じています。研究技術開発に携わり、その後に営業にも深く係わってきました。モノ作りから営業まで広く経験したことで、自分の尺度、自分の感度で事業の将来予測や価値判断のできるのが強みと考えている。また社長になっても、根っからの現場人間ですので、現場とのコミュニケーションを深め、皆で良い会社を作ることに努力してまいりたい。世の中は不透明で、また厳しい事業環境ですが、中期経営ビジョンにあるますように、国内事業の質的な成長、海外事業の量的な拡大、そして新しい成長事業の獲得に全員で取り組んでいきたい」と述べた。