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日清オイリオグループの中間連結は増収減益 単体では増収増益

 日清オイリオグループは11月10日、本社会議室において2012年3月期の決算説明会を開催した。今村隆郎社長は「今中間期は東日本大震災の復旧・復興の真っ只中であり、当社においても磯子工場の生産・出荷で大きな影響を受けた。このような厳しい中、売上高は1,559億1,559万8,000円で前期より4.5%増加したが、営業利益は5.0%減少の37億7,500万円となった。各事業別に見ると、油脂・油糧事業では、穀物相場が前期に比べ大幅に上昇し、高値圏で推移し円高の中でもコストが上昇した。コストに見合った価格の販売に注力し、販売価格は着実に上昇したが、当初想定したレベルには届かなかった。中国では価格統制の影響で、大連日清製油は生産が厳しい中、販売数量を抑制せざるを得なかった。加工油脂事業では、国内の製菓・製パン向けが堅調だったが、マレーシアのISF社がパーム油相場の影響で利益が減少した」と報告した。
 ファインケミカル事業は、中鎖脂肪酸や汎用の化粧品原料などが堅調に推移し、販売数量を伸ばしている。今年の7月に買収したスペインのIQL社は、今期末から連結決算に加わるが、売上高32億円、営業利益2億円強が予想されている。
 通期の連結業績予想は売上高3,100億円、営業利益80億円、経常利益70億円とされている。国内では油価を維持できるかどうかにかかっており、海外は、中国の事業は厳しい環境が続く見通しだが、ISFはパーム油相場の乱高下が落ち着きを取り戻しているので、CBEの収益性が悪化しているものの、下期は上期より期待できそうだ。