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カナダナタネ生産量は1,400万トンに

 第35回日加菜種協議が11月24日にホテル日航熊本で開催され、その報告会見が12月2日に農水省で行われた。

 2011年のカナダの新穀生産量は1,400万トン前後が見込まれており、同国輸出業4社の意見を集約した需給予測は表の通りとなっている。今期は大幅な作付け増が期待されたが、播種期の大量降雨により600万エーカーが播種不能になり、作付面積は前年比5%増の1,855万5,000エーカーにとどまった。しかし、8月以降好天に恵まれ、収穫期まで気温も理想的な展開となった。収穫面積は1,796万エーカー、単収も前年を1.2bu上回る34.5bu/エーカーが期待できるという。

 新穀の品質も良好だ。サンプル調査によると、No.1グレードは85%で平年に比べて高いわけではないが、前年の75%から改善。同グレードの油分(水分8.5%ベース)は平均で45.3%と前年を0.8ポイント上回り、たん白質は19.7%(前年20.1%)と0.4ポイント減にとどめた。クロロフィルは14.4ppmで、今年1~10月に日本へ輸入されたナタネの品質分析結果(23.7ppm)と比べて半減近い水準となった。

 カナダのナタネ生産量は、2015年に1,500万トンという目標を前倒して達成できる見通しを持てる勢いにある。しかし、カナダの国内搾油の伸びも顕著で、同国の搾油能力は700万トンを超え、さらに搾油能力を増やす動きもある。さらに2011/12年度の輸出量は、中国向けの回復もあって774万トンに増加すると同国輸出業界は予想している。生産量は拡大するが、需要の伸びも大きく、2011/12年度の需給はひっ迫感の強いものとなり、期末在庫率は7.7%に落ち込むと見込まれる。

カナダのナタネ需給
(単位:千トン)
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2010/11 2011/12 増減
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期首在庫 2,262 1,827 ▲435
生産量 12,773 14,065 1,292
輸入量 224 110 ▲114
供給量合計 15,259 16,002 743
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国内搾油量 6,310 6,753 443
種子・飼料用 101 368 267
輸出量 7,020 7,741 721
需要量合計 13,431 14,862 1,431
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期末在庫 1,827 1,141 ▲686
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*10/11はカナダ統計局、11/12は輸出業界予測