• セミナー

欧州のGM作物最新情報のセミナー開催
消費者の拒否反応は消え活用容認が多数に

バイテク情報普及会は12月2日、東京・八重洲のTKP八重洲ビルにおいて、セミナー「EUにおける遺伝子組み換え作物の最新事情と今後の展望」~10年間の調査報告書を踏まえて~を開催した。講師はヨーロッパバイオ(欧州バイオ産業協会・会員8社)の植物バイオテクノロジー規制担当部長のマニュエル・ゴメス・バルベロ氏。
 バルベロ氏は、欧州におけるGM作物の認可が遅れていることによるマイナスがさまざまな形で現れていることを強調し、EUの農家が競争上で不利な条件に置かれており、GM作物を栽培できないことで年間最大9億2,900万ユーロの利益を得られないでいるという。ちなみにEUが栽培を認可しているのはBtコーン1種(1998年承認)と、BASFが開発したαポテト(2010年承認)のみである。
 また、バルベロ氏が紹介した欧州委員会による消費者調査によると、「欧州でのGM食品に対する不安は食品全体の不安のわずか8%」という。化学物質や農薬の混入不安が19%ともっとも高くなっている。そして、「バイオテクノロジーの進歩の活用」についての問いに対して、全面的に賛成という人が36%、とちらかといえば賛成の41%を合わせると、全体の77%がGM肯定的な回答を行なっているという。
 GM作物が出回り始めてからすでに15年経ったことで、拒否反応が薄らいできたといえるようだ。