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J-オイルミルズが粉末油脂工場の竣工披露
スタートは味の素グループ中心に販売展開

J-オイルミルズは3月8日、静岡工場内に建設した粉末油脂工場の竣工式ならびに起動式、そして関係者約100 名を招いての竣工披露パーティを開催した。
 完成した粉末油脂工場は、静岡事業所の海側に30×30メートルの敷地に建設された。6階建て、30メートルの建屋に、約15メートルの大規模なスプレードライヤーが収められている。総工費30億円で、設備の中心になるスプレードライヤーの設計は、ドイツとデンマークに本社を持つ世界的な機械メーカー、GEAプロセスエンジニアリングが担当したもので、噴霧乾燥と粒度調整が可能なマルチステージドライヤーが特徴になっている。
 ホテルサンルート清水において行われた竣工披露パーティで、挨拶に立った楳田純和社長は、関係者への御礼を述べた後、「私どもが携わっている製油・油脂事業、産業は少子高齢化による変化、あるいは10年以上続くデフレ環境の中で、大変厳しい事業環境におかれています。一方で海外の原料、あるいは穀物の価格は高騰し資源インフレ的の動きを示しており、ますます我々の事業環境を困難にしています。将来に向けて、新しい事業、新しい事業分野に挑戦していかなければこの厳しい経営環境を乗り越えて行くことはできないと思っています。今般完成しました粉末油脂工場は、当社にとって全く新しい事業分野への挑戦です。液体、固体油脂で培ってきた様々な経営資源を、この粉末油脂に生かし、お客様のご要望にお応えする製品をお届けし、当社の大きな柱にして行く所存です。第3期中期経営計画で、海外事業への挑戦、非油脂部門の拡大とともに、この粉末油脂事業への新たな参入を将来に向けた当社の成長戦略とし経営資源を積極的に投入して行く考えです」と挨拶した。
 来賓代表として挨拶した横山敬一味の素取締役専務執行役員は「油脂業界は長引くデフレ、原料高、あるいは為替やミールの変動等、大変難しい事業ですが、今回J-オイルさんは液体、固体に続いて、粉体油脂の事業に参入されました。粉体油脂はこれからの成長分野であり、付加価値の高い分野だと思います。私ども味の素グループでは粉体油脂を、いろいろな分野、たとえばクノールスープ、AGFのクリーミングパウダー、あるいは冷凍食品の原料というように、これまでも幅広く使っていますが、グループのJ-オイルさんで生産拠点をお持ちになったので、今までにも増して粉体油脂の活用について、取り組んでまいりたい。グループでR&Dの連絡会をやっていますが、そこで大きなテーマとして、グループを挙げて粉体油脂の活用を進めたい」と語った。