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原料高騰で、6月に価格改訂の方針と日清オイリオの芋川専務

日清オイリオグループは5月7日、2012年中元ギフトの発表会を開催した。冒頭、挨拶に立った芋川文男専務は、食用油市場について「2011年度の家庭用市場は、販売数量で上期の前年比99.4%から下期は102.7 %に回復し、年間では101 %と前年をわずかに上回った。2011年の量販店における食料品の売上高は、既存店で前年比98.2%と前年を割り込んだが、非常に厳しい状況の中で、家庭用食用油の需要は生活必需品として、堅調で底堅く推移したといえる。金額で見ると、キャノーラの1kgポリビンが上期に244 円に上昇し、下期は競争の激化で238 円に下落したが、年間を通してみると、236 円と、前年比104.2 %となった。家庭用食用油市場は1,050 億円となり前年より40億円以上の拡大になった」と報告した。また日清オイリオグループの販売状況について「フルライン戦略による売り場の活性化、需要の喚起に取り組み、レギュラー、キャノーラ、健康オイル、ゴマ油、オリーブオイルなどすべてのカテゴリーにおいて市場を上回る数字を確保した。しかしながら、昨年後半の価格下落に現れているように、適正価格の販売に課題を残したと考えている」と総括した。
 同社は4月1日から、家庭用で20円/1,000g、業務用で300円/斗缶の値上げを打ち出し、ほぼ6合目まで達成してきているが、シカゴの原料相場が2008年の再現になりつつあることから、「6月以降ははさらなる値上げのお願いをして行かなければならない」(芋川専務)との方針を明らかにした。「家庭用では1,000gポリで300 円の店頭価格を実現したい。業務用は2008年の4,800円レベルも考えている」とのこと。
家庭用事業部長の榎本雅行執行役員は、昨年の歳暮期について「歳暮市場全体は件数べースで横這い、金額で98%となった。食用油・調味料ギフトは件数で97%、金額で95%と振るわなかった。その中で当社は、歳暮市場全体とほぼ同じ傾向になった。オリーブオイルを詰め合わせたギフトが好調だった。今年の中元は102%を目指す」と語った。