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花王がオーラルケア市場状況について報告

 花王は5月8日、東京・茅場町の本社でオーラルケアの市場状況と同社の取り組み内容などについて記者会見を行った。
 オーラルケア3品の市場規模が昨年は約1,480億円だったが、今年は1,500億円に拡大すると見込まれる。そのうち5割以上を占めるのがハミガキで、昨年は約810億円の市場規模だった。以下、ハブラシ、洗口剤が続いている。
 ハミガキは、2001年からこの10年以上拡大傾向にあり、市場規模がその間に約100億円程度伸びている。中価格帯(200~499円)、高価格帯(500円以上)のカテゴリーの構成比率が拡大し、商品単価が上がってきている。
 その背景には、「お客様のオーラルケアに対する意識が非常に上がってきている。昔は、とにかく意識的に虫歯を予防するというものだったが、今は、単純な虫歯予防より口臭対策や白くしたいという意識が強い。これは、昔は虫歯になってから仕方なく歯医者に行くものだったが、今は治療ではない目的で1年に1回以上歯医者に行く割合が4割くらいに達している。これがオーラルケアの意識を高めている要因である。あとは、単純なことであるが、日本人の歯の数が増えている。20本以上歯を残す割合が、以前は70歳以上は10~20%だったのが、今は40~50%くらいに増えている」(同社)ということがある。
 同社は、今年3月に主力の「クリアクリーン」シリーズから「EX薬用ハミガキ/ハブラシ」を発売し、同商品を中心に取り組みを進めている。「EX薬用ハミガキ」は、EX顆粒がハブラシの届かない隙間の歯垢まですっきり除去するとともに、歯石沈着予防成分(ゼオライト)が歯石の沈着を防ぐのが特長。購入者の8割以上が同商品の使用で、歯のツルツルを実感しているという。
 なお、「クリアクリーン」シリーズは、同社によると、数量ベースでシェアトップ(11年実績18%)を占めている。