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不二製油の2012年3月期は海外の油脂が不振で減益に

不二製油は5月11日、東京・浜松町の世界貿易センタービルにおいて、2012年3月期決算説明会を開催した。海老原善隆社長が決算ハイライト、中期経営計画の進捗状況、2013年3月期の業績予想と施策などについて述べた後、中村修油脂加工食品カンパニー長が「2012年度新製品戦略」について、また清水洋史蛋白加工食品カンパニー長が「大豆ルネサンスへの挑戦」について報告した。
海老原社長は「連結の売上高は2,366億円で前期比139億円のプラスとなったが、営業利益は130億円で36億円のマイナスとなった。海外の利益が欧米とアジアでいずれも16億円のマイナスとなった。特に油脂部門の海外のマイナスが大きく響いた。一方で国内は震災の影響を受ける中、2億円のマイナスに止まり、まずまず頑張った。油脂部門の利益減少は、カカオ豆相場の低迷とカカオバターの不振、価格下落によりCBEが低迷したことが大きい」と語った。また2012年の業績は25億円の営業利益増を見込んでいるが、販売数量の増加40億円、コストダウン5億円のプラスが、原価上昇による8億円と販管費増加による12億円のマイナスをカバーするという見通しだ。
 中村食品カンパニー長は「今年の4月1日から外食と大手パン市場専門の販売部隊を編成し、人員を大幅に増強した。今年の秋に外食セミナーを開催して、当社の製品・技術のアピールを行う。新製品として、焼成用チョコレートの“キュゼショコラ”やパン用フィリング用“チーズペーストシリーズ”、酸価上昇抑制油脂“スーパータフロング”、機能性シートマーガリン“アートピアバタースイート”などを重点拡販商品として新発売する」と報告した。清水蛋白加工食品カンパニー長は「大豆の原点に戻り、大豆の新しい価値を創造する“大豆ルネサンス”」を提唱した。中でも、大豆の新しい分離分画技術により生み出された新しい食品“大豆クリーム”を成長戦略の重要なひとつとして掲げた。大豆クリームはすでにパイロットプラントが稼働しており、来年から本格設備、生産を開始する予定だ。