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東京油問屋市場新理事長に宇田川公喜氏が就任

 東京油問屋市場は6月28日、第112回定時総会を開催し、任期満了にともなう役員改選が行われ、宇田川公喜氏(㈱宇田川商店代表取締役)が理事長に就任した。7月3日、油商会館において宇田川新理事長と浅井修前理事長が会見した。

 宇田川理事長は「東京油問屋市場の行事に参加し始めたのは17年前の31歳の時で、その後、父が亡くなり宇田川商店の代表となって、市場の理事、建値委員長、副理事長を務めてきた。理事の中では一番の若手で先週48歳になったばかり(昭和39年6月22日生)。伯父にあたる岩佐長四郎が昭和56年から3年間、市場の理事長を務めたのが30年ほど前になる。これから東京油問屋市場の113年目の歴史を理事長として務めさせて頂くが、長い歴史と伝統を噛み締め、諸先輩のお力添えを頂きながら、自分なりの新しいスタンスを出していきたい」と抱負を語った。

 宇田川理事長は、初立会から大納会まで、伝統ある年間行事を守りつつ、同市場営業人や賛助会員の拡大に取り組みたいと強調する。「市場の営業人は、油脂販売を業とするとの規約があるが、食材卸の方でも油に対する思い入れや油商としてこだわりを持つ方に賛同してもらえればと思う。油は値上げ値下げで相場が動くのは当然だが、油を商売の目玉にするのではなく、油を大事に販売し、大切さを理解している方を市場の営業人として広げていきたいと考えている。また、本社が東京にあることを前提にしており、首都圏や関東圏のような括りで広げていく方策も検討できればと思う。規約の問題や全国油脂販売業者連合会(全油販連)に加盟する神奈川県油脂販売同業組合との兼ね合いもあるが、門戸を開くきっかけができればと考えている」という。
 また、全油販連の若手担い手で構成する油脂未来研究会で、勉強会や研修会などを開催し、油脂販売業者の今後について活発な議論を行っている。宇田川理事長は、その中心メンバーでもある。「国産ナタネなどを搾油する小さなメーカーなどが各地にある。市場と直接関係するわけではないが、われわれのような組織があることを知ってもらう活動にも横断的に取り組みたい」という。

 また、浅井前理事長は2度目の理事長を務めた2年間を振り返り「印象に残っているのは去年の震災のことと、油祖離宮八幡宮の1150周年行事。可もなく不可もなく、無事に任期をまっとうできた。2年間に、油脂相場の上下動は多々あったが、相場商品であるから当然と捉えている。宇田川新理事長には、新しい息吹、考え方で進めてもらえると非常に期待している。業界にベテランの方が多い中、若手の期待の星として新理事長を一生懸命サポートしていきたい」と語った。
 宇田川理事長の趣味は、小唄や民謡と旅行。最近は、秩父札所巡りに挑戦しており、34カ所のうち30番まで巡った。すべて歩いてまわっており、手抜きはしない。博物館見学も好きだという。歴史と伝統を重んじながらも新たなスタンスで東京油問屋市場を牽引していくことが期待される。

 なお、東京油問屋市場の役員陣容は下記の通り。金田勝次名誉会長(カネダグループ名誉会長)、島田孝克顧問(島商㈱代表取締役会長)、金田達明顧問(カネダ㈱代表取締役会長)、宇田川公喜理事長(㈱宇田川商店代表取締役)、館野浩一副理事長(㈱タテノコーポレーション代表取締役社長)、金田雅律副理事長(㈱マスキチ代表取締役)、金田康男副理事長(カネダ㈱代表取締役社長)。