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J-オイルの第1四半期は減収減益
 お盆で前値を打ち切り、次の価格改定に向け準備

J-オイルミルズは8月6日、第1四半期の決算と経営状況についての報告記者会見を開催した。
 同社の2012年4~6月期は、売上高が440億9,600万円(前年同期比94.7%)、営業利益11億5,000万円(同64.2%)、経常利益12億6,700万円(前年同期比66.7%)、四半期純利益7億7,200万円(同72.3%)となった。前年の4~6月に比べて、原料などコストは約15億円下がったが、油脂とミールの平均販売価格がそれ以上に減少したために、減収減益となった。
 松居伸一専務は「4~6月は、4、5、6と月を追うごとに収益が悪化した。そして現在は過去に経験したことのない穀物相場になっており、オペレーションが難しくなっている。4月1日から家庭用とバルク20円/kg、斗缶300円の価格改定を行うと発表した。一定の成果は得られたが、原価がそれを上回るスピードで上昇した。値上げを発表した時は12~13ドル/ブッシェルの大豆相場だったが、その後14~15ドルに上がった。そのため7 月から、再度の価格改訂をせざるを得なくなり、家庭用とバルクは12円/kg、斗缶200円の値上げを発表した。7月から価格改訂の浸透に取り組んでいるが、まだ十分な成果が上がっているとはいえない。一方で、シカゴの大豆相場は16ドルを超え、今後はそれ以上の価格さえ予想されるような状況になっている。10月以降の価格改定も必要になってくる状況になっており、現在取り組んでいる7月の値上げについては、8月のお盆で前値を打ち切るという指示を出した。数量制限も同時に行っている。7月の値上げはお盆で決着を付け、9月以降、次の価格改定をどの段階で行うかの検討をしている」と語った。
 また後藤康夫常務は「現在の16ドル台の大豆相場は、ホット&ドライの天候を織り込んではいるが、8月10日に発表されるUSDAの見通しで大幅に単収減になると、価格がさらに上がる可能性もある。南米の作付けが増えるとの見越して新穀は下がっており、インバスが拡大している。しかしエルニーニョの動向など不安材料も多い。またナタネも一時より落ちついており、610~620カナダドル/トン近辺になっているが、中国と米国が輸入を増やしており、この両国で1,000万トン(シード+製品のシード換算)のナタネをカナダから輸入する見込みになっている。過去最高の1,600万トンを超える生産見通しではあるが、需要も伸びている。わが国も、すでに来年春までの分を契約している中国に買い負けないように、より先物を手当てする必要が出てきている」との見方を示した。
 米国の熱波による穀物への影響は今後、より詳細に分かってくるだろうが、現在でもシカゴの大豆相場は16~17ドルで動いており、かつてないレベルになっている。16ドル以上の大豆を実際に手当てした経験はなく、これだけ高い原料をどう製品価格に反映させて行けば良いのか、わが国の製油産業は大きな課題を背負い込むことになったといえよう。