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家庭用キャノーラ油1kg300円、業務用斗缶4000円の実勢化目指すと日清オイリオグルーの芋川専務

日清オイリオグループは10月3日、2012年歳暮期キフト発表会を開催した。冒頭、芋川文男専務が営業の概況報告を行った。芋川専務は、まず大豆のシカゴ相場が史上最高値を記録した背景について触れ、「世界の在庫率の低下が大きな要因。米国の農家、穀物メジャーなどのトウモロコシ、大豆の在庫が過去最低レベルにある。そして米国の60%が干ばつに襲われ、大豆の生産量は24年前のレベルにまで減少した。単収の悪化懸念により史上最高値を記録した。ファンドの穀物相場への資金流入も著しくリーマンショック時を上回る資金量といわれている。その後収穫が好天に恵まれていることから、投資家の売りもあり現在は15ドル台に下がっているが、この下落は限定的で、高止まりする」との見通しを語った。
 ちなみにゴールドマン・サックスは、大豆相場の見通しを下方修正したが、それでも18ドル台と予想している。また、現在の相場がブラジルの8,000万トンを超える大豆生産量を折り込んでいるが、最近は降雨不足による作付け遅れが懸念される状況になっている。
家庭用市場の動向について、芋川専務は「4~8月のSCIデータによると、マーケット全体の物量で、前年比101%になっている。レギュラー・キャノーラは99.1%と横這いだが、オリーブ油は122.7%、ゴマ油は103.%1と継続して拡大している。金額では、マーケット全体で98.4%と若干のマイナスになっている。レギュラー・キャノーラの店頭価格は2012年3月の224円(1,000g)から8月は231円に上昇している。それでも前年比で下がったのは、前年上期が震災後の販促自粛で234円と高かったためで、7、8月にかけて量販店の店頭販売価格は改定されてきている。上期以降、金額面でも前年をクリアできる。10月から価格改定に取り組んでいるが、キャノーラ油1kg300円の売値実現を最優先する。同時に食用油の提案、No.1メーカーとのコラボ、店頭でのメニュー訴求を進めて行きたい」と述べた。
 また業務用市場について「外食は厳しい状況が続いている。楽観できない。一方で、中食は量販店がマイナスでコンビニの弁当が2桁近い伸びを示すなどまだら模様の状態になっている。こうした中で、業務用のJAS受検は4~7月で前年比116%となっている。これは昨年落ち込んだためで、一昨年比では104%だ。シカゴの高値を受けて、今年は4月と7月に価格改定を行い、日経相場は、3月の3,500円から3,800円、そして3,850円と着実に上昇している。10月から200円/斗缶の値上げを発表している。日経相場で4,000円の実勢価格を固めて行きたい」との考えを示した。