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太田油脂が創業110周年記念式典を開催
FLY計画ではトップ7戦略を推進と太田社長

太田油脂は11月24日、愛知県蒲郡のグリーンホテル三ケ根において創業110周年記念式典を開催した。社員、OB、来賓ら約130名が出席した。
式は太田健介社長による献灯から行われた。同社のナタネ油は、1949年に宮内省御用達となり、1962年には伊勢神宮御用達になっている。平成5年、伊勢神宮の式年遷宮が行われた時、新宮で最初に灯される御灯明油も同社が献納したものだ。そして来年に予定されている第62回式年遷宮でも、太田社長により献納されることが決まっている。
挨拶に立った太田健介社長は、この10年を振り返るとともに、今後の目指す方向について語った。
 「2002年から2011年度までを見ると、売上高は86億円から120億円に、140%の成長になっている。収益も変動はあるものの成長を続けている。利益を出すことだけが目的ではないといってきているが、きちっと我々の安定的な生活、将来への投資、100年続くための礎を創るために、収益は必要」との考え方を示した。
 同社の社員数は、「2002年にはパートナーさんも合わせて103名だったのが、現在は183名と増えている。パートナーさんの比率が当時は10%であったものが、現在は30%になっている。物作りをやって行く中で、パートナーさんと一緒になって物を作ってきた企業活動を行ってきた」と太田社長。
 グループ会社は現在、太田油脂も含めて8社あるが、このうちこの10年で4社(大連太田食品、宮古島サンSUNファーム、JOYアグリス、韓国太田食品)が設立されている。 「油脂事業という大きなの柱、幹から枝葉を出てきた、あるいはようやく若葉が出てきたかなと、いうところがこの10年」という。
 同社は1992年から2010年まではSKY計画という名称で中期経営計画を進めてきたが、2011年からは中期経営計画の名称をFLY計画に変え、現在第1次の3カ年FLY計画に取り組んでいる。FLY計画を推進して行くに際して企業理念も変更した。新しい企業理念は「私たちは自由な発想と積極的な行動により、安心、安全、環境を基本に、食生活の充実と生と活文化の向上に努め、社員の幸せと社会に貢献することを目指します」とされた。
 太田社長は第1次FLY計画について「トップ7戦略が中心になる。J-オイルミルズさんとの連携を強化しながら、自分達の幹、ポジションをしっかり確保して行こうというのがトップ7戦略の柱になっている。これまでの6つの基本事業に、7つ目として新しい事業を加えトップ7とし、取り組んでいこうということでスタートしている」ことを明らかにした。
太田社長が、こらからの10年に向けてのキーワードとして掲げたのが「5K(GO! K)」。健康、教育(食育)、高齢化、環境、海外を意味する。「この5つのキーワードで事業展開、商品展開、物作りを続けて行くことで、最終的には大田油脂のブランディングに繋げて行きたい」と語った。
 そして最後に「こうした課題に挑戦し、進めることで最終目標のネクスト100で目指す『すべては「いい人」「いい会社」「いい未来」のために』を実現して行きたいと思う。元気で明るく、そしてわくわくする会社を作って行こう」と呼びかけた。
来賓を代表して、J-オイルミルズの後藤康夫執行役員が挨拶を述べた。
 式典後の懇親会では、伊勢神宮から拝領したこも樽で鏡開きが行われた。