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第36回日加菜種協議が開催、カナダナタネの新穀は1,400万トン

 第36回日加菜種協議が11月22日にロイヤルパークホテルで開催され、その報告会見が11月30日に農水省で行われた。協議の概要について、日本植物油協会の神村義則専務理事が報告した。
 同協議では、日本側は農水省食料産業局食品製造卸売課の長井俊彦課長が団長を務め、カナダ側団長のリチャードソン・インターナショナル社のアドリアン・マン副社長ら代表団と、2012/13年産のカナダナタネの生産・需給見通し・品質、日本の市場動向などについて意見交換を行った。
 12年産のカナダナタネの生産量は、前年比95.1%の1,400万トンと見込まれる。播種期は、生育条件が良好、作付面積も過去最高で、7月の予備協議時点では1,600万トンは確実という見方もあったが、その後の高温と少雨・乾燥、病気や虫害の発生で単収が大幅に低下した。単収は29.8bu/エーカー(前年36.5bu)で過去の平均を下回った。1,400万トンは史上2番目の豊作であるが、1,600万トンへの期待が高かっただけに「失望感の漂う豊作」(神村義則専務理事)というのが関係者の実感のようだ。
 12/13年の輸出量は、前年の862万トンから、720万トンへと140万トンの減少を見込んでいる。日本への輸出量は、前年と同じ220万トンと予想。日本以外への輸出は、中国250万トン(前年267万トン)、メキシコ141万トン(同148万トン)、米国40万トン(同51万トン)、アラブ31万トン(69万トン)などと見込んでおり、需要の小さい国への輸出を大幅に絞って調整している。国内搾油も、686万トン(前年699万トン)と前年より13万トン減らしている。
 期末在庫切れを防ぐために輸出量と国内搾油を減らして調整しているものの、非常に苦しい需要操作であり、期末在庫は約1カ月の100万トン、在庫率は7.0%(前年7.4%)と極めて低水準となる見通しである。
 品質面については、サンプル調査によると、No.1グレードの割合が前年より3ポイント低下の82%で、気象条件が品質に大きく影響した。油分は、西部平原州平均が43.6%で前年の45.3%を1.7%下回っている。クロロフィルは15.8mg/kgで、前年の15.9mgとほぼ同じ水準。ただ、実際に日本に輸入されたものは、グリーンシードの割合がサンプルより多いため、20mgを超えている。新穀も、クロロフィル含有量が高いとみられ、搾油採算への影響が懸念される。