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エコプロダクツ2012開催、油脂関連メーカーも参加

 日本最大級の環境展示会「エコプロダクツ 2012」が12月13~15日、東京ビッグサイトで開催され、日本にある数多くの環境・エネルギーに関する優れた技術やノウハウが紹介された。今年のテーマである「The Greener, The Smarter ― えらぼう未来を」には“新しい未来のために必要なものを選択し、私たちの生活や社会に取り入れる、その行動の「積み重ね」が今こそ重要だ“という思いが込められている。油脂関連メーカーも出展した為紹介する。
 花王は「製品がかかわるライフサイクル全体で考える花王のモノづくり」をテーマに、同社の環境に対する考え方、代表的なエコ製品を通して日常的に無理なく続けられるエコや容器包装での工夫など、様々な取り組みを紹介した。
 同社では“いっしょにエコ”を一つのテーマに、つめかえ・つけかえ用商品によるプラスチック使用量の削減や紙おむつの機能向上による環境負担の低減など社会が一丸となってできる取り組みなどを紹介した。2012年3月現在、同社のつめかえ用製品の転換率は約85%であり、1994年に約55グラムであった紙おむつは2011年には約33グラムまで軽量化されているという。また、素早い泡切れで汚れも洗浄成分も繊維に残りにくくする洗浄成分アクアWライザーを紹介し、同成分を使用し節水・節電・時短が可能になる超濃縮液体洗剤「アタックNeo」や、少ない水でもすっきりすすげる「メリットシャンプー」など商品の紹介も行った。さらに特設ステージでは、“汚れ落ちの科学”“つめかえeco”“エコシャンプー術”といった内容の教室も開催した。
 また、製品のライフサイクルで考え、原料選びからゴミに出すまでのすべての段階で環境への負担を減らす取り組みについて、輸送における環境負担の低減(モーダルシフト化率64%)やコジェネレーションシステムの導入で環境と調和していく工場(廃棄物の最終処分率0.08%)、植物油脂を使用した高性能プラスチック「エコラ」などが紹介された。
 その他同社が開催した第3回花王国際こども環境絵画コンテストの受賞作品も展示された。
 味の素グループは4社共同で「Good eating = Green eating 70億人の食が変われば、未来は変わる。さぁ、みなさん、ご一緒に。」をテーマに出展した。その中でJ-オイルミルズはプラスチックの使用を削減し、外箱に古紙を使用しているエコパックスや軽量し使いやすくしたゴマ油の瓶など容器の環境対応、また原料である大豆を無駄なく使用し活かし切る取り組みについて紹介した。また、オリーブオイルソムリエの水野勢技世さんによるミニセミナー「~エコな暮らしに~オリーブオイルの楽しい利用術」も開かれ、たくさんの来場者が訪れた。セミナーではエキストラバージンオイルとピュアオイルそれぞれに適した調理法が紹介され、エキストラバージンオイルにくらべ風味がマイルドなピュアオイルに漬け込んだレモンを、食パンに乗せ砂糖を振るといった新しい食べ方の紹介も行った。
 太陽油脂は、合成界面活性剤を一切使用せず、石けんをベースにした、肌や髪やさしいだけでなく環境にもやさしいヘアケア、基礎化粧品等の製品について紹介を行った。中でも今年の秋に発売された「パックスナチュロン クリームソープ」は“ハローキティ”とコラボレートした新商品が好評を得ているという。成分についてもハイブリットヒマワリ油、ホホバ油、トコトリエノールを贅沢に配合し、品質にこだわった商品となっている。また原料を2カ月間じっくり熟成させた透明石けん「パックス キャンディソープ」も好評で、こちらにもハイブリットヒマワリ油、ホホバ油、トコフェロールが配合されている。その他にも透明石けんで作った彫刻の展示も行い、多くの来場者の注目を集めた。
 明治グループは、「自然の恵みの上に成り立っている企業であることを十分認識し、資源を守り環境との調和を図ることによって、自然との共生に努める」ことを企業行動憲章のひとつにしており、こうしたグループの環境への取り組みを、パネル、プレゼンテーション、クイズラリーを通して紹介した。その中のひとつが、ブラジル北部の日本人移住地“トメアスー”で育まれた自然と調和した持続可能な農法「アグロフォレストリー」だ。同社ではその活動を支援しており、このカカオ豆を使用し「アグロフォレストリーチョコレート」を作っている。アグロフォレストリー農法の発展は森林再生を助け、二酸化炭素を減らし、多くの生物が生きられる環境を作るという。その他にもファルマで行っているバイオマスからバイオエタノールを製造する研究や、バイオマスを利用した飼料などの展示も行った。
 ライオンは「環境対応先進企業」を目指すことを企業ビジョンとして掲げ、2006年から「ECO LION」活動に取り組んでいる。植物原料の積極活用をはじめとする地球温暖化防止など環境への取り組みが認められ、2008年、環境省より環境対応のトップランナー「エコ・ファースト企業」に認定されている。同社では、暮らしの中で毎日使う商品を環境に配慮したものにすることで、“ムリ”なく“エコ”な生活を実現できることをわかりやすく伝えることをコンセプトとし、「おうちでムリなく 毎日エコ」をテーマに出展した。
 例えば、「トップ NANOX」について、3㎏の洗濯物をドラム式の洗濯機で1か月間洗うとき通常の洗剤にくらべ“500mlのペットボトル1600本分”の節水が可能というように身近なものに例えることでわかりやすく説明した。またブースには、長岡造形大学の学生が作成した『ライオン エコものがたり』という巨大な“とびだす絵本”を置き、商品を通じた環境配慮、植物原料の活用、容器・包装材料の削減や水資源保護活動などをクイズラリー形式で行うなど、同社の環境活動について楽しく説明した。さらに、環境への取り組みとしてリユース・リデュース・リサイクルの取り組み、生物多様性に配慮した原料の使用やリサイクル材料の使用、商品のコンパクト化など商品が生まれてから使い終えるまでの各行程におけるエコ活動についても紹介した。
 その他、水環境保全活動の一環として昨年実施した「雨活アイデアコンテスト2011」での受賞作品も展示した。