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日清オイリオグループ芋川専務が営業概況報告

 日清オイリオグループは5月7日、同本社で「2013年中元期日清オイリオギフト発表会」を開催した。冒頭、芋川文男専務が食用油の営業概況について報告した。

 芋川専務は、大豆・ナタネのみならずオリーブ油やゴマ油などを含めて油脂原料全般が厳しいコスト環境にさらされている状況を説明した上で、家庭用市場について「2012年度(4~3月)の家庭用の市場トレンドは、物量で前年比101.8%、金額で100.1%と前年を上回る堅調な推移となった。しかし、原料コストの大幅な上昇に直面する中で、適正価格という面では課題を残した1年だった。小売業の状況は、日本チェーンストア協会発表の2012年度食料品既存売上高を見ると、大手量販店のNBの値下げ宣言やPB強化で需要喚起策が行われたが、その結果を見ると売上高と客数の回復にはつながらなかった。特に客数は97.4%と低迷した。その中で、家庭用食用油も下期を中心に市場単価の下落が進んだ。レギュラー油とキャノーラ油の1,000gの平均購入単価は2012年3月に222円だった。上期は原料上昇で価格是正に動いたことから229円まで上昇した。しかし、下期はまたデフレ風が強く吹き225円に押し戻された。年間を通すと227円で、1年前から5円上がったが、厳しい価格状況だった」と説明し、「今後とも、コストに見合った適正価格での販売を強力に推進していく」と語った。

 2013年度の家庭用食用油の販売方針については「4月1日よりの食用油全般にわたる価格是正をまず第一に強力に行い、適正価格の販売のもと市場価格の安定化を図っていく。2008年の資源インフレ時にも価格是正をお願いし、1,000gの平均単価が300円を超える水準まで価格是正ができた。しかも販売量もほぼ前年並みを確保でき、家庭用食用油市場は200億円の規模が増大した。このことから、家庭用食用油が生活必需品でもあり、消費者の求める価値をしっかりと具現化すれば、値位置が上昇しても需要が減退することはないと確信している。適正価格での販売に理解を得ながら、300円の市場価格に向けて推進していきたい」と強い覚悟で臨んでいく。

 次に業務用の概況については「日本フードサービス協会のデータを見ると、2012年度の全店売上高は前年比101.6%で、震災の影響による落ち込みから回復し、2年ぶりに前年を上回った。客数も102.3%と増えたが、客単価は99.3%と低迷が続いている。外食を利用する機会は増えているものの、メニュー単価への支出と財布の紐はまだ固い状況にあるのではないか。また、中食市場に目を向けると、日本チェーンストア協会や日本百貨店協会が月次で発表している惣菜の売上高は、前年割れの月が多く、この分野はある意味低迷している。しかしCVSの日配食品の売上高を見ると前年を大きく上回っており、CVSの惣菜商品の充実や個食化への対応が上手にできており、惣菜購入場所の変化が起きているとみている。そういう中で、2012年度の食用油のJAS受検数量は前年比106.9%となり、震災で減少した数量をカバーする水準まで回復してきた」と分析した。
 2013年度の業務用の販売方針についても、家庭用と同様に適正価格での販売の推進であり、価格是正を強力に推し進めることと、提案型販売の強化と技術に立脚した商品開発に特に力を入れていく。