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日本こめ油工業協同組合新理事長に三和油脂の松田莞爾社長が就任

 日本こめ油工業共同組合は5月17日、東京・中央区の八重洲富士屋ホテルにおいて第33回通常総会を開催した。今期は任期満了にともなう役員選任が行われ、新理事長に三和油脂の松田莞爾社長が就任した。副理事長は、ボーソー油脂の片岡治男氏、岡安商店の岡安重次氏、ヂンダ食品工業の陣田昇氏(代行:陣田聖介氏)、築野食品工業の築野卓夫氏が務める。また、新専務理事には鈴木清和氏が選任された。
 松田新理事長は、総会後の記者会見で「コメ油はこのところ価格が低迷しており、ようやく4月から若干値上げの方向に動いている。コメ油は人間の身体に良い成分を含んでおり、風味や酸価安定性も良い。コメ油のプレミアム性をPRして、もう少し価格的に採算の取れやすい状況を作っていきたい。脱脂糠は、飼料や肥料向けだけでなく、付加価値の高い用途開発が必要と思っている。そうすることで、限られた国内米糠原料の集荷量を増やせると思う」との考えを示した。
 また、コメ油業界が抱える大きな問題は、2年前の東京電力福島第一原発の爆発事故による放射線物質の汚染問題への対応だ。松田理事長は総会後の懇親会で「安全で安心な品物を提供していく義務があり、業界全体が足並みを揃え、原料・製品の検査・分析の体制をきっちりと整え、対応している。放射性セシウムの半減期が長いだけに、気が抜けない状況が続いている」と語った。