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かどや製油が2013年3月期決算説明会を開催
 円安と原料価格高騰で秋には再値上げへ

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かどや製油


 かどや製油は5月30日、東京・中央区のベルサール八重洲で2013年3月期決算説明会を開催した。
 当期の業績は売上高214億3,500万円(前年比0.3%増)、営業利益22億7,700万円(同12.6%減)、経常利益25億3,700万円(同2.7%減)、当期純利益15億4,500万円(同7.3%増)となった。セグメント別の売上高は、ゴマ油が家庭用88億3,800万円、業務用62億1,100万円、輸出用20億6,400万円、食品ゴマは、家庭用食品ゴマ4億3,700万円、家庭用練りゴマ1億3,300万円、業務用食品ゴマ25億5,000万円、業務用練りゴマ6億6,700万円となった。
 小澤二郎社長はゴマ油については「2013年3月期は、家庭用NB品の販売が増えたが、PB品はNB品の単価下落の影響を受け微減となり、家庭用トータルでは販売金額・数量とも前年並みとなった。業務用は、需要家向け販売構成比が上がり、単価が下落し販売金額は微減となった。輸出用は、特に北米・カナダの需要が旺盛で数量が増えた。既存客先が順調に伸長し、新しい得意先も増え、金額・数量ともに増加した」と総括した。
 2014年3月期の計画については「家庭用は円安と原料高をどう押さえ込んでいくか頭を痛めている。すでに5月1日から家庭用の値上げを実施し、相当進んできている。しかし、当初為替を93円ベースで想定し、(搾油用ゴマ)原料も2,000ドル/トンということを予期しておらず、再度下期に値上げせざるを得ない。5月からの値上げは販売促進費を削減して対応しているが、次回の10月からは単価を変更することを強行せざるを得ない」と秋に再値上げを行う見通しを明らかにした。
 また、「業務用は、どうしても競争が激化し販売価格が下がっているが、5月から価格交渉に入っている。また、大口の需要家との新規取引を強化し、スーパー・デパートなど惣菜市場を強化していく。コラボ商品は数量的なメリットこそ小さいが、宣伝効果が大きく、今後も提積極的に提案していきたい」と語った。
 輸出用については「米国・カナダでは中国系の人口増加が激しく、チャイナタウンではなくチャイナシティが増えている。台湾系の大型スーパーでの販売が非常に好調で、日本では考えられないが1,650g品が中心に売れており、輸出は今後も期待できる」と述べた。北米市場における同社のゴマ油のシェアは約7割を占めているが、市場自体が拡大しており、さらなる輸出増に期待がかかっている。PB等の新規案件も交渉中だ。業務用でも餃子の練り込み用途にゴマ油が増えているという。
 2015年3月期の業績予想は、売上高226億円(前年比5.4%増)、営業利益21億5,000万円(同5.6%減)、経常利益21億5,000万円(同15.3%減)、当期純利益12億5,000万円(同19.1%減)。