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日加菜種予備協議が開催
カナダのナタネ生産量は1,500万トンを予想

 第37回日加なたね予備協議が7月17日にカナダ・ブリティッシュコロンビア州ケロウナ市で開催され、その報告会見が7月26日に農水省で行われた。同予備協議に参加した日本代表団の宮川愛浩団長(日本植物油協会国際部会長:写真左)、古川拓男副団長(油糧輸出入協議会雑原料委員長代理:写真中央)らが出席し、協議の概要については日本植物油協会の齊藤昭専務理事(写真右)が報告した。
 同予備協議では、「2013年における日本の油脂及び油糧種子市場の展望」「2013年産菜種の作柄に関する生産農家の見解」「13/14カナダ産菜種の需給展望」「2013年前半の輸入菜種の品質について」「カナダ搾油産業の最近の動静」の5つの議題について討議された。なお、カナダ代表団の団長はバイテラ社のChad Molesky氏が務めた。

◆良好な生育環境と楽観視
 2013年のカナダのナタネ生産量は同国輸出業界の予測平均で過去最高の1,505万トンと予想されている。昨年のカナダのナタネ生産は、作付面積が過去最高の2,150万エーカー超となり、当初の予測では1,600万トンを超える大豊作が見込まれたものの、夏場の高温乾燥や病虫害の発生から単収が大きく低下し、生産量は期待はずれの1,400万トンにとどまった。
 今期の収穫面積は1,970万エーカーとの予想が示され、同国ナタネ生産者協会のTodd Hames会長は「今後の懸念材料は、暑さや風雨、各種の病気などであるが、現時点で2013年の生育環境は良好」と楽観的な見解を語った。実際にサスカチュワン州の農家を見学した日本代表団も「良好な生育環境にあることが裏付けられた印象」(斎藤専務)を受けたという。ただし、マニトバ州とサスカチュワン州では降雨により水分過剰もみられ、菌核病になりやすい条件であることから農薬散布を実施し対応が図られている。一方、アスター萎黄病のリスクは低いものの、今後、開花期の暑さ、アワヨウトウ幼虫等には十分な観察が必要となっている。雪で1週間から10日間ほど播種が遅れたが、現在、播種の遅れを取り戻しつつある。収穫は通常に近づくとみられ、早霜の被害も現状では不安視されていない。
 カーギル社のBrent Waschukga氏が示した2013/14年度のカナダのナタネ需給見通しは表-1の通りとなっている。収穫面積はピークとなった昨年の2,121万4,000エーカーを7.1%下回る1,969万8,000エーカーで、単収は過去の上昇トレンドを踏まえて、昨年の29.1ブッシェル/エーカーを16%上回る33.7ブッシェルとし、生産量は1,505万トンと過去最高を予想している。一方、国内搾油量は過去最高の730万トンと、輸出量の740万トンにほぼ肩を並べるまで成長が見込まれる。
 なお、表-1における輸出量の国別内訳は表-2に示した。今年も気懸かりなのは中国の動向。輸出業界4社の平均では13/14年度の中国向け輸出量は過去2年のトレンドから260万トンを見込んでいるが、各社の予想はバラつきが大きい模様だ。豊作が見込まれるカナダ産の新穀と、豪州産が一部見合いになっていることから、今後の動きが注目される。
 なお、13/14年度の期末在庫は106万トン、在庫率は前年の6.2%から7.1%に緩和される見通しとなっている。