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理研農産化工が平成25年度特約店会議を開催

 理研農産化工は11月7日、福岡県・博多区のホテル日航福岡にて平成25年度特約店会議を開催した。
 野中修誠社長がはじめに、昨年度および今年度第2四半期の業績について報告した。今年度上期の連結業績は、売上高158億円(前年比120%)、営業利益▲7,600万円(同3億2,400万円減)、経常利益500万円(同2億9,600万円)、当期純利益▲700万円(同3億800万円減)の増収、大幅減益となった。販売数量について野中社長は「食用油は前年比102.5%、小麦粉製品98.9%の実績であり、食用油・小麦粉製品の内訳として、食用油では家庭用104.7%、業務用101.6%、小麦粉製品では家庭用104.4%、業務用97.4%で着地した。油脂小麦粉ともに家庭用が販売数量に寄与した」と語った。
 減益の要因については「今年度第2四半期も、食用油販売における損益の悪化が最大の要因であった。油脂原料穀物の高止まり、今年年初よりの急激な円安の進行も大きな要因となった。油脂原料コスト上昇にともない、4月、7月と油脂販売価格是正のご案内をさせて頂いたが、残念ながらコストに見合う販売価格にまでは達しなかった」ことを強調した。
 また、今年の油脂原料事情については「昨年米国では歴史的な大干ばつとなり、需給がタイトな中、北米では作付時期の4月に土壌水分が多く、作付遅延による生育への悪影響と新穀の供給遅れが心配されていた。8月に入り、米国では高温・乾燥懸念による単収の悪化が危惧されたが、収穫が始まったコーンベルト東部地域では大豆の単収は良いとの報告が上がってきている。カナダでは、ナタネの作付面積が前年比9%の減少となっていたが、8月以降は天候に恵まれ、霜による被害もなく大豊作の見通しとなっている」と語った。

 一方、今年度は第4次中期経営計画「発展する理研農産化工3カ年計画PhaseⅡ」(平成24年度4月~27年度3月)の2年目に当たり、第3次中期経営計画で積み残した目標あるいは新たな課題となったことを含めて全社を挙げて取り組んでいる。野中社長は「過去6年にわたる第2次、第3次中期経営計画では、主に佐賀・福岡両工場の設備更新を第1期として計画と実施をしてきた。また、遊休不動産の活用を勧めるため、東京、長崎、佐賀で賃貸マンションおよび商業施設の建設を行った。まだすべての不動産の活用には至っていないが、第1期の目論見としては期待通りに進捗した」という。さらに現・第4次中期経営計画では、主要な3項目の目標を掲げている。
 ひとつは「次世代型工場設備構築のための新規設備計画と既存設備のリニューアル」だ。具体的には、佐賀本社工場の第3期原料小麦保管サイロ増築と、福岡工場の家庭用サラダ油充填ラインの更新だ。まず、佐賀本社工場の新サイロの増築については、今年4月に建設を始め、9月末には完成し、新サイロ5,000トンを合わせて1万1,300トンに増強し、現在順調に稼動している。また、福岡工場の家庭用サラダ油充填ラインの更新については、今年度期末の3月には完成予定となっている。
 2つめが「国内営業基盤の拡充」だ。第3次中期経営計画から引き続き、営業拠点に営業マンの増員と油脂・小麦粉・ミックスのシナジー効果を最大限に活かした販売戦略を実施している。「営業マンの増員はできたが、全国的には今後とも検討する課題も多々残っており、今後とも継続的に注力していく」考えだ。
 3つめは「ザ・理研品質の確立」で、理研グループ全社の品質保証のシステム構築と組織体制づくりを目指しており、これまで佐賀・福岡工場のHACCPに準拠した食品工場や、福岡工場の主要設備の更新により、「ハード面での“食の安全・安心”」に基づく商品づくりを一歩前進したことに加えて、今年4月より、新たに品質保証部を立ち上げた。「これにより、お得意先様やユーザー様にさらなるご信頼とお役立ちを目指していく」という。

 最後に、野中社長は「昨年末の自民党への政権交代に加えて、アベノミクス効果で株価上昇や景気の高揚が叫ばれる昨今ではあるが、未だに食品業界にはその効果が感じられず、円安による原料高騰や、また来年4月に実施される消費税増税と現在、当社を取り巻く環境は厳しいものがある。しかしながら、経営基盤の強化を通じて環境変化に対応すべく、将来の最適な事業展開をしっかり見据えていきたい」と語り、挨拶を締めくくった。