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バイテク情報普及会がメディアセミナー開催

 バイテク情報普及会は12月2日、東京・大手町のLEVEL21でメディアセミナーを開催した。
 今回のテーマは「日本の食卓を支える穀物供給と農業イノベーション」として、「創発的破壊:農業輸出とイノベーション」(一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授)、「穀物供給の現状と課題」(資源・食糧問題研究所の柴田明夫代表)、「食料安全保障と遺伝子組み換え技術」(東京大学大学院農学生命科学研究科の本間正義教授)という3つのテーマで講演したほか、パネルディスカッションも行われた。
本間氏は、食料安全保障問題を中心に解説した。国際的な食料安全保障について、本間氏は「栄養不足人口、飢餓人口をどう解決するかということである。これは、食料の経済的・社会的なアクセスの問題であり、衛生環境や家庭内分配問題まで入ってくる」と指摘した。
 その上で、日本の場合は、「食料の自給率向上は重要であるが、残りの6割を占める輸入をみた時に新興国の需要が増大しており、世界の市場は不安定になっている」と説明し、日本企業の海外進出・投資と商社などのネットワークを駆使して食料供給の安定を図ることの重要性を強調した。
 また、遺伝子組み換え技術については、開発と普及の問題を指摘した。「遺伝子組み換え技術は、途上国へのニーズの対応や普及が今後の課題になる。国際的なニーズからすると、大手企業だけでは過少投資であり、国際機関を通じた研究開発を進めることで、大きなマーケットに供給を増やしていくことが必要」という考えを明らかにした。