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ゴマ油業界、値上げ続々

 かどや製油は3月26日、都内で会見を開き、業務用のゴマ油および食品ゴマ類の価格改定を実施すると発表した。
 昨年10月の業務用製品改定後もゴマ原料価格は高値圏にあり、為替相場は円安水準にある。コスト削減の自助努力だけで乗り切るには限界があり、安心で安全な商品を安定的に届ける責務を果たすためにも再度の価格改定が必要と判断したもの。対象商品は、業務用製品全般で、ゴマ油12%以上、食品ゴマ10%以上(練リゴマ8%以上)の値上げを6月1日出荷分より行う。
 竹本油脂はすでに4月1日出荷分より、ゴマ製品(ゴマ油・食品ゴマ)について15%以上の値上げを発表している。また、Jーオイルミルズも3月25日に、5月1日より業務用ゴマ油および家庭用ゴマ油それぞれで20%以上の値上げを表明している。

 搾油用が中心と見られるアフリカ6カ国(ナイジェリア、ブルキナファソ、タンザニア、エチオピア、モザンビーク、ウガンダ)からのゴマ輸入価格は、2012年はトン当たり10万円前後で推移していたが、2013年6月には17万円を超え、2014年1月には20万円台に達している。その間、円/ドル為替は70円台から100円台へ円安が進んだことも大きいが、原料ゴマのドル価も1,200ドル台からすでに2,000ドル近い水準の原料が入港しており、さらに足元は2,300ドル台の相場付きであることから、春以降23~24万円に達すると見られる。円安によるエネルギーコストや副資材価格の上昇の影響もある。
 原料ゴマ価格の高値水準が今後も続く状況であれば、再度の価格改定が必要との見方を示すメーカーもある。