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東京油問屋市場第114回総会で宇田川理事長を再任

 東京油問屋市場は6月19日、第114回定時総会を開催し、任期満了にともなう役員改選で宇田川公喜理事長(宇田川商店社長)を再任した。副理事長には浅井修氏(富田商店社長)、金田康男氏(カネダ社長)、館野洋一郎氏(タテノコーポレーション社長)を選任した。

 宇田川理事長は6月24日、2期目に臨むにあたって記者会見を開催し、「油問屋市場に来るようになったのが1995年で、19年前になる。総会の2日後に50歳になると言ったら、まだまだ若手と言われた。諸先輩方が守ってきた伝統ある東京油問屋市場であり、私の役目としては次の世代につなげるべく、弛まぬ努力を続けて頑張っていきたい」と抱負を述べた。また、「館野洋一郎さんにお願いして、副理事長になって頂いて、やっと年下の人が来た。私は親が早く亡くなったので、長く建値委員、理事、建値委員長、理事長とやらせて頂いて期間は長いが、まだまだ。島商の島田豪社長やカネダの金田展明専務も40代」と、次世代のこれからの活躍に期待を寄せている。
 油脂販売業の将来を担うべく全国油脂販売業者連合会の若手経営者らで油脂未来研究会(木村顕治会長)の前身である次世代交流会を立ち上げたのは10年ほど前になる。若手の親睦を深めるとともに、油の花フォーラムなど研修会を重ねてきた。現在の東京油問屋市場の宇田川理事長、関西油脂連合会の木村顕治会長、愛知県油脂卸協同組合の太田健介理事長はその中心メンバーだ。
 宇田川理事長は「当初は会社の代表ではない人同士の集まりだったが、今は代表になっている方も段々増えている。一方、東京油問屋市場では、逆に理事や建値委員ではない人たちの交流は意外とないので、40、50代の交流を深めていこうと思っている。昔は会員各社の社員やメーカーさんと一緒にレクリエーションや親睦を深める機会があった。(油脂未来研究会主催の)油の花フォーラムだけなく、色々とできたら良いと思っている」と語った。また、油脂未来研究会では、油の花フォーラムのような企画を関西と愛知と東京が持ち回りで開催していく方針だが、「東京油問屋市場の勉強会も並行させるなど、ちょっと考えている」という。

 一方、市場営業人の拡大については、東京日華商事の廃業を受けて1社減ったが、2月の神奈川県油脂販売同業組合解散にともない、昭和油料と金子油店の2社が新たに入会した。昭和油料の田口靖郎代表取締役は新たに理事に選任された。
 宇田川理事長は「当市場は、東京都に営業所を持ち、油脂販売業を行う営業人をもって組織するということだったが、追加で、ただし関東地区に拠点を持ち、入会を希望するものは営業人とするできるとし、入会を承諾した」かたちだ。その意味で宇田川理事長は「神奈川を吸収した形で、広げていくところまではできていない」と、引き続き課題という認識だ。
 また、景況感については「東京オリンピックまでは良いという人が多いが、デフレで物が安いのが当たり前みたいになっている。20年くらい下り坂の局面しか知らない人も多い。だから値段で何とかという話になる。これから物(の価格)が上がってきて、人口が減っていく経済になれば、そういうことではないところで、皆が潤えるというのは難しいかもしれないが、そういう方向に行ったら良いと個人的には思っている」と語った。