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昭和産業が2014年秋冬家庭用新商品を発表

 昭和産業は8月6日、同本社において2014年秋冬新商品発表会を開催した。
 発表会の冒頭挨拶檜前慶一常務取締役(油脂部管掌、食品部担当)は、前日に発表した平成27年3月期第1四半期の連結業績について、売上高620億9,000万円(前年同期比0.9%増)、営業利益30億1,000万円(同9.6%増)、経常利益34億4,500万円(同14.4%増)、純利益23億2,100万円(同2.0%増)となったことを報告した上で、家庭用食品事業について「消費増税の影響から3月の出荷量は食用油、小麦粉、パスタ製品を中心に大幅に増加した。しかし、4月からの3カ月感は非常に苦戦を強いられた。4月も5月も悪く、6月も(増税の)反動があった。しかし、積極的な販売活動を実施した結果、食用油については前年同期を上回ることができた。一方、家庭用小麦粉、プレミックス製品は前年同期を下回った。販売価格については、消費者の節約志向の影響などにより、一部の製品は価格改定が進まない状況だった。これらの結果、第1四半期の家庭用食品事業は売上高52億9,200万円、前年同期比11.3%の減収、営業利益は8,800万円、前年同期比7,200万円の増益(同466.0%増)で終了した」と説明した。
 また第2四半期以降については、「現在、米国における大豆、トウモロコシは収穫省の増加が見込まれ、相場は下げ基調にあり、今後の相場について注目していきたい。一方、国内においては、消費者の低価格志向や、家庭内調理機会の減少といった厳しい環境は依然として続いている。第2四半期以降、さらに気を引き締めて臨みたい。今後とも昭和産業は、穀物ソリューション・カンパニーとしてお客様に価値ある製品を派手ではないが地道に提案していく」と語った。
 続いて挨拶を行った小河原賢二食品部長が「昨今のライフスタイルが変化する中で、従来のファミリー層に加えて今後増加する単身世帯層やシニア層をターゲットにした商品を提供することにより、多様化した消費者ニーズに応えていきたい。お好み焼粉ミックスは今までに市場になかった新機軸の新商品を投入し、マーケットの活性化を図る。また、当社の得意分野であるホットケーキミックスについては、今までになかった大人向けの贅沢な朝食のかたちを提案したい」というように、同社の今秋冬の新商品は、市場の活性化と新規需要の創出に視点を置いて開発されている。同社のブランドメッセージ“穀物ソリューション・カンパニー”に基づいた穀物でおいしいソリューション=解決を提供する姿勢が強くあらわれている。

 引き続き、同社商品開発センター・家庭用グループの大内英幸グループリーダーが、9月1日から発売する2014年秋冬新商品・リニューアル品あわせて4品について説明した。従来の食品開発センターから昨年4月に組織改称した商品開発センターのミッションは「お客様にとっての価値の提供を目指すことにある。今後さらに穀物ソリューション・カンパニーとしての自負を持ち、一層付加価値のある商品、サービスの提供、またユーザーコミュニケーションとして様々なお客様の信頼の獲得に努めていきたい」と大内氏。2012年度からスタートした5カ年計画「中期経営計画12-16」は今年度から後半3カ年のフェーズ2に入り、家庭用食品の開発においても「家庭の食卓をもっと豊かに便利にすることに努めていくことを開発の方針にしている」という。
 2014年秋冬は、お好み焼粉市場とホットケーキミックス市場に新たな提案をする新商品として「おいしく焼ける魔法のお好み焼粉」と「ホットケーキで朝食を」発売する。また、様々なメニューに使える「北海道小麦粉」に使いやすい小容量サイズを追加するほか、発売26周年を迎えるロングセラー商品「お好み焼粉 浪花」をリニューアルする。

 「おいしく焼ける魔法のお好み焼粉」は、3つのポイント(魔法)で、初心者でもふっくら軽い口どけのお好み焼きが作れる。ひとつめの魔法は、使い切り簡単小分けパックで、100g/袋(2枚分)の使いきりサイズなので、計量の手間が必要ない。2つめは、焼成温度や加水条件が多少振れても、ふっくらおいしく焼けるこだわりの配合と処方(特許出願中)。ふっくらした食感に寄与するなどの理由から原料には大豆粉も使用している。そして3つめは、裏面の見やすいレシピで、おいしく上手に焼けるコツがわかる。
 配合を工夫したことにより焼成時に生地から水分の抜けが良く、マカロニサラダや肉じゃがなどの残り物おかずやストックおかず、使い残しの野菜やチーズなどの冷蔵庫の余り物を利用してもおいしく焼ける利点がある。ソースとマヨネーズで食べる定番の食べ方は、ともすればマンネリ化メニューになりがちだが、キッシュなどのベースとして使えるなどメニューバリエーションの広がりも提案していく考えだ。また、焼いたお好み焼きを冷凍保存して温め直しても、ふっくらとしたおいしさを再現できることも特長となっている。世帯人数が少なく、お好み焼き作りの経験が少ないライトユーザーやトライアルユーザーを取り込み、既存品と合わせてお好み焼粉市場の底上げを図っていく。
 また、「お好み焼粉 浪花」は、3種のだしの旨みをきかせた本場関西風のお好み焼きを家庭で手軽に味わえる商品として、今年発売26周年を迎える。今回、そのおいしさはそのままに、より作りやすく、よりわかりやすいパッケージにリニューアルする。こちらも分包タイプだが、1袋で4枚分×3袋で、どちらかと言えばヘビーユーザー、ファミリー向けの商品となっている。

 ホットケーキミックスでは、大人の朝食のためのホットケーキが家庭で簡単に作れる「ホットケーキで朝食を」を発売する。上等の小麦粉、糖類やでん粉などの配合バランスなどにより、しっとり、もちもち食感を実現し、口どけも良い大人のホットケーキミックスだ。ジャムやヨーグルトと一緒に、プレーンでもおいしく食べられる。いつものパンの代わりに朝食にぴったりの食べやすさとなっている。50代以上のシニアの朝食シーンを対象にしたという点で、新機軸のホットケーキミックスといえる。
 また、北海道産の国産小麦を100%使用した「北海道小麦粉」は今年で発売20周年を迎える。一方、近年、家庭でミックス粉や半調理製品を利用する機会が増え、小麦粉の使用量や使用頻度は減少傾向にある。そこで、今後さらに高まると予想される小容量化のニーズに応え、既存の650gに加えて今回400gを新たに発売する。「北海道小麦粉」は、天ぷらやお好み焼き、クッキー、手打ちうどんなど幅広い料理に使える。