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日油協の楳田会長「下期は難しい状況」と認識
 価格や価値を大事にして従来通り追求を

 日本植物油協会は9月8日、都内で業界紙記者との納涼会を開催した。
楳田会長は冒頭挨拶の中で、西日本を中心にした8月の多雨や日照時間の減少などの異常気象について触れた上で、経済情勢について、内閣府が同日に改定発表した4~6月の国内総生産(GDP)は、実質で前期比1.8%減、年率7.1%となり、8月に発表した実質1.7%減、年率6.8%減という速報値から下方修正されたことに言及した。「消費増税の影響ももちろんあったと思う。GDPのうち個人消費が過半数を占めるので、それが大きく影響したと思う。ただ、この7~9月は、4~6月に比べればGDPの伸びが期待できると色んな調査機関が予想しているが、本当にそうなのかについては、実感もなければ、正の数字が出ても果たして正しいのかの思ってしまう気がする。ただ、7~9月の契機情勢を見て来年10月に消費税10%にするか否かを安倍総理が判断するということになっており、どう考えても上げるのだろう。そうした情勢の中で、企業業績については色々なエクスキューズの元はあるにしても、エクスキューズしたから救われるということはない。何とか頑張って良い数字にしていかなければならない。また、円安と金利の上昇に関しては本当に心配をしてもし切れないが、企業業績に非常に大きく影響するので、その方向へ行く可能性が圧倒的に強いが、それに対してどう備えていくかが問われる」と語った。
 原料環境については「海外原料相場は4~6月と7~9月、あるいは10~12月と3カ月毎のタームで見てもその状況は大きく変化している。4~6月の状況が続いてくれれば良かったが、2014年度を上期と下期に分けると、上期は原料とミールの価格バランスによって何とか息がつけるような状況にあった。これが、下期はガラッと変わり、従来経験してきたような価格的なポジションになってくるのではないか。そうすると、やはりそのコストや商品価値に見合ったプライシングを求めていかなければならないことは間違いないが、ではそういう地合いができているかと言うと甚だ困難な状況にある」との認識を示した。
 植物油業界を取り巻く環境は厳しい。「製造業は、4~6月は非常に好調で全体で多分増収増益だと思う。われわれもその一員であるわけだが、そのトレンドを維持できるかどうか、下期に関しては危なっかしい、難しい状況に入る。価格や価値を大事にするという仕事をこれまで通り真摯に追求していくことに徹して行かざるを得ない」と強調した。