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かどや製油中間決算は原料ゴマ価格の高騰と円安響き大幅減益

 かどや製油は11月7日、東京・中央区の野村證券日本橋本社で2015年3月期第2四半期決算説明会を開催した。中間期の業績は、売上高116億4,100万円(前年比3.5%増)の増収となるも、営業利益5億8,400万円(同48.0%減)、経常利益6億7,100万円(同47.9%減)、四半期純利益4億500万円(同47.2%減)と大幅減益になった。原料価格の変動に対して昨年から漸次販売価格の改定を行ってきたが、それ以上に原料ゴマ価格の高騰や円安の影響が大きく響いた。
 小澤二郎社長は上期の実績について「家庭用はあまり芳しくない状況で上期に入った。昨年5月に拡売条件を抑え、その後10月に価格改定をしたことで、非常に厳しい状況の販売になった。他社の安値に振り回された。しかし他社も高い原料を扱っており、値上げをしなければならない状況で、上期後半から価格改定をしており、当社の価格と格差が少し縮まり、回復してきている。業務用は6月より値上げを実施し、販売数量は減少したが、販売金額は伸びた。輸出用は8月から価格改定を実施したので、数量的な影響が出た。上期は1.7%の数量増で終わったが、販売金額は大きく上昇した」と総括した。
 通期の業績予想については売上高245億円(前年比11.9%増)、営業利益14億円(同15.9%減)、経常利益14億円(同29.0%減)当期純利益8億8,000万円(同23.6%減)と、5月に発表した計画に変更はない。ただ、下期の円/ドル為替は105円を想定しており、1円変動による損益の影響を1,300万円と見込んでいる。内訳は、原料購入による影響額が約5,300万ドルで、うち為替予約済みが2,200万ドルあり、輸入による影響額合計が3,100万ドル、一方、輸出は好調で売り上げ要因として1,800万ドルと見ており、差し引きすると1円の変動で1,300万円の影響になるとしている。

 下期のゴマ油販売計画について小澤社長は「家庭用は他社との価格差が縮まり、数量的に回復する可能性が大きい。12月がひとつの山場だが、相当数量を期待できるところまできている。業務用は、加工食品メーカーが様々な新商品を開発しており、当社のゴマ油を使用頂く場合が多く、数量的にも下期は少し回復する。価格改定を実施したので、販売金額も伸びる。輸出用は、価格改定による数量減の影響も回復しつつあり、PB商品の投入もしており、数量的にも金額的にも期待できる」との考えを示した。
 価格改定の先頭を切ってもなお、上期は大幅減益となっており、今後の価格政策について小澤社長は「仕入れに合った形での販売に徹したい。円安にも神経を尖らせてやっていく」と含みをもたせた。