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東京油問屋市場が平成26年大納会を開催

 東京油問屋市場は12月17日、東京・中央区の東京シティエアターミナルにおいて平成26年大納会を開催した。
 大納会では、はじめに本年最後の建値立会いを行い、大豆白絞油やナタネ油、ナタネ白絞油など全品同事とした。立会いに先立ち金田雅律建値委員長は、先の衆議院総選挙で与党が圧勝する一方、石油や為替相場の変動は大きいことを「天気晴朗なれども波高し」と例えた上で、「油脂業界もそれに振り回されるところがあるかと思うが、これから政治が安定してくれるならば景気対策に力を入れて、消費を盛り上げてもらいたい。消費が盛り上がらなければ、われわれの商売は増えないと思っている。相場動向は先が不透明であるが、一丸となって発展のために頑張って行きたい」と挨拶した。
 続いて、懇親会に入り、宇田川公喜理事長が挨拶し、「私も今年で50歳になり、1年が早くなってきたと思っている。1年が早くて1日が長い人は年寄りで、1日が早くて1日も早いと思っているうちは、まだ良いそうだ。選挙が終わり、景気回復まっしぐらというスローガンに期待したいところもあるが、経済評論家の方が言っていたのは、アベノミクスの経済対策を例えると、鰻屋さんで蒲焼きを頼む、鰻重を頼んで待っているような状態で、良い匂いはするがまだ蒲焼きにはありつけていない。特に中小企業、地方はまだ厳しい状態が続いている。私は酒飲みなので、熱燗を頼んで肝焼きか、鰻巻き、なければおしんこくらいで1時間くらい待っている。今は、捌いて串に刺さったくらいなのかなと思っている。これからも業界発展のために尽くして行くので、皆様がおいしい鰻にありつけるように、油脂価格の改定に努力したい」と、製油メーカー各社が打ち出した1月5日出荷分からの価格是正に対して前向きな考えを示した。

 その後、日本植物油協会会長代理としてJ-オイルミルズの善当勝取締役常務執行役員が来賓を代表して挨拶した。善当氏は2014年の油脂の状況を振り返り、「13年末くらいから原料相場は落ち着いて、その後の天候相場もあまり大きな向かい風はなく、逆に言うと、そういう状況の中で市場のユーザーから価格の強い要請が起こるだろうということで、それに対してどう下げるのを止めるかを課題にスタートしたと認識している。その中で、少し足並みは揃わなかったが、春先に価格改定をお願いして取り組んできた。結果的にはデフレの状況に大きな変化をもたらすことができず、大きく下がることは何とか免れたのかもしれないが、目指していた価格の値上げはなかなか整わなかった。ゴマ油メーカーはまだ苦労されているが、大豆ミールの高値やナタネミールのレシオ等の追い風があり、各搾油・製油メーカーについては上期は前年に対して増益で着地できた。しかし、10、11月の状況を見ると、急激な円安とまだまだデフレの状況の中で(採算は)相当圧迫されており、実際は(顔が)青くなっているというのが本音ではないか。すでに1月5日出荷分からということで、今後は足並みが揃った価格改定をさせて頂く。代表的な牛丼企業の大きな値上げや加工食品、グロッサリー、冷菓等の一斉値上げが年明けに控えており、市場では価格改定を容認して頂ける素地もある。いよいよ待ったなしの状況になってきたと思う。健全な競争の中で、ユーザーにしっかりと説明し、価格改定に取り組ませて頂きたい」と語った。
 その後、全油販連会長でもある金田雅律氏の乾杯発声で和やかな懇親に入り、東京油問屋市場・館野洋一郎副理事長の油〆で中〆となった。