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味の素が2015年春季新製品説明会を開催

 味の素は、1月8日、東京・港区の品川プリンスホテルにおいて、2015年春季新製品説明会を開催した。初めに、同社取締役常務執行役員で食品事業本部長の品田英明氏が、国内食品事業レビューと2015年春季新製品の説明を行った。
 初めに品田氏は、消費増税の影響が食品市場では第2四半期でほぼ前年まで回復していることに触れ、下期の力強い景気動向への期待を示した。
 続いて、同社の生活者動向調査の結果、生活者を3つの層に分類し、増税前後でほとんど消費行動を変えない“ゆとり層”が4割、メリハリをきかせて節約し買う時には買う“中間層”が2割、節約志向が強い“節約層”が4割おり、性別・年齢・年収に関わらずすべての層で見られると分析した。品田氏は「それぞれの価値観に合わせた消費意識の違いとライフスタイル、食のこだわりから来るニーズ、このかけ合わせによって生活者の行動パターンが大変多様化していく」と述べ、多様化するニーズに合わせた同社の商品展開やプロモーションについて説明した。
 続いて同社の販売状況については、増税後の第一四半期は反動減で厳しい展開だったものの、7月以降あまり反動減のなかったメニュー用調味料の「Cook Do」シリーズを中心として前年をクリアし、12年に投入した新製品群は14年上期に2ケタ%増で伸長していると述べた。

 メニュー用調味料の市場は現在780億円となり、2013年度は10年度比で140%の2桁成長を遂げた。特に、同社が12年に発売した「Cook Do 今日の大皿」は、11年の123億円規模からこの3年で173億円まで市場拡大し、14年度上期も109%ほどの成長が見込まれると説明した。そこで同社は、これまでの肉・野菜を中心とした調味料に加えて、魚食材を使った新シリーズを春季新製品のメインとして開始した。
 背景には、13年末に和食がユネスコ文化遺産に登録され国内外で大変注目されていることや、生活者の魚介類に対する健康面での良いイメージや、摂取を増やしたい意向が強くあることを挙げた。一方で、魚の摂取量は年々減少し、その最大の理由として魚介料理の手間や臭い、味付けなどの主婦の悩みがあることを指摘した。同社はこの悩みを解決する調味料を作ることでニーズの掘り起こしを図る。新製品では、特に人気があり年間を通じて食卓に使える鮭とサバ使った、伝統的な和風の醤油と味噌で作れる2品種「さば味噌用」と「鮭バター醤油用」を開発した。
 また、少人数世帯の拡大と合わせて好調である「Cook Do 今日の大皿」2人前からは「肉みそキャベツ用」「豚バラなす用」「ガリバタ鶏用」の3品種を新発売する。
 さらに、2014年に全国発売し10月からの新TVCM放映で販売が急伸し、生産が追い付かずに休売していたトッピング入りサラダ用シーズニング「Toss Sala」は、生産能力を3~4倍に増強して14年暮れには3品種の出荷を再開した。さらに新品種の「シーザーサラダ味」を発売する。
 最後に品田氏は、今後のプロモーションテーマの「魚ナビ」について、52週分のメニューを用意し、年間を通じた魚メニューを提案すると説明した。また、サンリオのキャラクター「KIRIMIちゃん.」とタイアップしWEBサイトや店頭での販促を実施する。同社は大々的に魚食のプロモーションに取り組むことで、魚メニューの喫食機会拡大を図る。

 あわせて開催された試食会では、J-オイルミルズが、リニューアルしたマーガリン「NEW!カルピスソフト」や「ラーマソフト減塩」、食用油の「AJINOMOTO Eurolive」や「AJINOMOTO 健康 調合ごま油」「AJINOMOTO ごま油好きのごま油」などを紹介した。