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日本オリーブオイルソムリエ協会とチュニジア大使館がオリーブ油セミナー

 日本オリーブオイルソムリエ協会は3月2日、チュニジア大使館との共催で、同大使館において「チュニジアオリーブオイルセミナー&レセプション」を開催した。
 当日は、ファラード・クリフ駐日チュニジア大使が「チュニジアにとって、農業はGDPの12%、チュニジアの投資の中で10%を占めており、大変重要なものである。さらに、商品の輸出では食品が10%を占めている。今日は、チュニジアの農業やオリーブ油の詳細に関する情報を是非享受して頂きたい」と挨拶した。
 続いて、多田俊哉日本オリーブオイルソムリエ協会代表理事が挨拶し、「今年は、チュニジアがオリーブ油の生産量で世界第二位に躍進する年になりそうだ。今年のチュニジア産は、昨年比で4倍の大増産が見込まれており、世界一のスペインに次ぐ生産量になる。ただ、残念ながら、チュニジア産の多くのオリーブ油はイタリア人が購入しており、ボトルに入った商品が日本の市場にあまり出回っていない。今日は是非、チュニジア産のオリーブ油や国の魅力に触れて頂きたい」と語った。
 チュニジアの農業ビジネスやオリーブ油をテーマに講演に入り、最初に、チュニジア輸出振興庁のモンデール氏が、チュニジアの農業ビジネスをテーマに解説した。モンデール氏は、講演の冒頭に「チュニジアは国際的な“ハブ”であり、約50ヵ国・地域と既にFTAを結んでいる」と強調した。
 チュニジアの主要な輸出食品として、デーツ(ナツメヤシ)、オリーブ油、柑橘類、水産物、ワインを挙げて、その中でデーツは最大の輸出国となっている。約4万ヘクタールでナツメヤシを栽培し、約19万4,000トン、8万7,000トンを輸出している。
 オリーブ油は、世界ではEUに次ぐ輸出国・地域であり、作付面積は160万ヘクタールに達する。2013/14年は7万トンを生産し、5万4,000トンを輸出している。今年度のオリーブ油の収穫高は記録的で、約26万トンの見込みである。モンデーリ氏は、チュニジアの各家庭では、1年分のオリーブ油を1回で購入していることも紹介した。
 次に、搾油メーカーを代表して、ウィリー・ルーディ社代表のハイファ・サアダ氏は、チュニジアのオリーブ油生産や取り組みをテーマに講演した。
 チュニジアには、約6,500万本のオリーブの木が植えられており、主要な品種として、シュムラリ種、シェトゥーイ種などがある。
 また、「チュニジアは、IOC(国際オリーブ協会)の創立メンバーであり、オリーブ油の振興に努めており、オリーブ油の消費促進に努力している」とサアダ氏は語る。
 最後に、「当社は世界30カ国以上に輸出しており、チュニジアのオリーブ油メーカーとして、最初に日本に輸出したパイオニアである。既に日本で扱っている卸会社もある。毎年FOODEXに出展して、当社のオリーブ油の存在を高めて、多くの方に当社の製品を知って頂きたい」と述べて、講演を締めくくった。