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日本水産が2015年秋冬新商品発表会を開催

 日本水産は7月29日、東京・港区の八芳園において、「ニッスイ2015年秋冬新商品発表会」を開催した。初めに、食品事業執行の大木伸介取締役常務執行役員が秋冬新製品の方向性について説明した。社会背景として、人口減とシニア層の増大、共働き世帯の増加と調理時間の短縮、医療費の増大と健康志向の伸長、外国人就労者と観光客の増加、さらに格差の拡大による二極化や規制緩和などを挙げ、変化に対応することが重要であるとした。食品業界については、スーパーでの惣菜やCVSのカウンター周り、こだわりの外食などが伸長しており、シニア世代の中食や外食の増加とそれにともなう売り場が好調である点などを分析した。これらを受けて同社の商品においては、プチ贅沢、時短・個食、おいしさへのこだわり、シニア・健康などのキーワードを中心に、ベーシックな商品のブラッシュアップと、簡単、便利、おいしさをベースにシニア層やプチプレミアム、健康志向に対応するというコンセプトで展開する。今秋は、新商品61品、改良品17品の合計78品を発売し、売上高は101億円を目指す。
 
 続いて、ファインケミカル事業執行の関口洋一取締役常務執行役員が機能性表示食品制度の導入に関する同社の取り組みや製品について説明した。関口氏は「当社は、水産、食品、ファインの3つの事業で成り立っているが、この3つが重なるところ、3つの枠を超えて事業の境目領域で融合連携して拡大しようとしている。機能性表示食品制度を活用して、食品の全事業で展開しようとしている」と幅広いカテゴリーでの展開について語った。同社は、今年度から新たに開設した機能性食品推進部を主導に、健康機能を強く訴求する商品や、原料バルク販売、通信販売の「海の元気倶楽部」の拡大とEPAの認知度向上を目指す。
 関口常務は、EPA・DHAの機能性評価の高さ、日本人の摂取量と目標値、市場動向、今後の伸長見込み、脂肪酸組成やEPA、DHAそれぞれの機能などを説明したうえで、EPAの様々な機能のうち“中性脂肪を下げる”というメカニズムや作用に注目して立ち上げた新ブランド「海から、健康EPA life」を紹介した。新ブランドから9月発売予定の新製品12品は、現在機能性表示食品制度に届け出中で、今後も同社が長年にわたり育ててきたEPA素材を活用し、新たな健康性と確かなおいしさの提供を図っていく。新ブランドの製品では、
一日当たりの摂取目安量900mgに対して、消費者が製品を選ぶ際の目安となるようにEPA・DHAの量を☆の数で表記した。☆1つを150mgとし、☆6つで1日に必要な量を摂取することができる。日本水産だからこそできる幅広い商品カテゴリーでの展開によって、一日の中で無理なく様々な製品を組み合わせて摂取することを提案している。 
 「海から、健康EPA life」ブランドのうち、冷食カテゴリーからは、「今日のおかず」シリーズより4品を新発売する。それぞれ1袋でEPA・DHAを450mg摂取できる。常温食品売り場向けでは1缶で900mgを摂取できる缶詰を3品、フィッシュソーセージ売り場・日配品売り場向けではEPA・DHAを含むちくわやソーセージを発売する。また、同社がEPA・DHAを配合した食品として以前から販売している「EPA+(エパプラス)豆乳クッキー」シリーズは、EPA・DHAを1袋あたり300mg配合し、20~40代の女性をターゲットに徐々に支持を集めており、このたびブラン入りで食物繊維の量が約2倍になった2品を新発売した。同シリーズは、若い女性をターゲットに豆乳をキーワードに訴求しているため、機能性表示食品制度には申請していないが、EPA・DHAの認知拡大による相乗効果が期待される。今後は、製品の持つ機能やターゲットによって現行の特定保健用食品制度や栄養機能食品制度と使い分けながら、それぞれの効能をアピールしていく考えだ。