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日油協・楳田会長「脂質栄養」広報強化
植物油の役割・重要性への理解浸透に全力

 日本植物油協会は9月29日、都内で楳田純和会長(J-オイルミルズ相談役)と業界紙記者との懇親会を開催した。
 楳田会長は冒頭挨拶の中で、「明日で上期が終了する節目の日を迎えるが、両手を挙げて良かったとは残念ながら思えない」など、経済、社会、政治的に大きな動きがあった上期を振り返った上で、昨今の協会の活動において、油脂の栄養価値の広報・普及にさらに力を入れていることを報告した。
 「油の需要は全然減っていないにも関わらず、むしろ増えている。そういう産業でありながら、価格が油の価値に見合わない。オリーブ油やその他の最近囃されているω3の油でなくても、大豆油でもナタネ油でも、いわゆる健康食品の最たるものだと思っている」と強調する。以前、味の素がグループ会社を含めて健康に資する食品が全売上に対してどの程度あるのか、あるいはそれを増やしていこうということで、味の素の担当者が当時J-オイルの楳田社長を尋ねたことがあった。その際に「植物油脂というのは、これこそ健康食品であり、(飼料用途の)ミールを除けば100%が健康に資する食品を供給している」と毅然と答えたという。「健康面からも、基礎食品としても油脂の需要は減っていない。これからむしろ高齢化に向かえば向かうほど、脂質栄養の重要性が求められる。したがって、これからますます栄養面でも、たん白質栄養、脂質栄養が重要ということになってくると、これは疑う余地もない」という信念があるからだ。
 そうした中で「日本植物油協会としては、栄養学等の最近の研究動向を踏まえ、日本栄養士会等と連携をし、命を支える植物油の広報・普及活動を各地で展開し、医療・会社・学校等における食のキーパーソンである管理栄養士を通じ、植物油の役割・重要性に関する理解を浸透するように全力で取り組んでいる。私たちは、これからも国民の命と健康を守る植物油を供給するという強い使命感と責任感のもとに、フードシステムの基幹産業であるわが国の植物油産業をさらに発展して行く」との考えを示した。