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ゴマ業界3団体が合同賀礼会

 日本ごま油工業会と全国胡麻加工組合、油糧輸出入協議会は1月28日、東京・港区の芝パークホテル別館において合同賀礼会を開催した。
はじめに全国胡麻加工組合の藤波一博理事長(波里・社長)が挨拶を行い、食品ゴマ業界について「白ゴマの原料価格はやや軟化しつつあるものの、黒ゴマ・金ゴマに関しては依然として厳しい状況が続いており、原料調達の難しさを痛感している。その他にも残留農薬の問題や、産地によっては大規模な水害が起こるなど天候要因もあり、景気回復を実感するにはまだ不透明な状況と言える。昨年、私たちの胡麻加工組合では、大阪、中部、関東の組合および上部団体の連合会がすべて解散・統合され、一本化になり、新たに全国胡麻加工組合としてスタートする大きな節目の年になった。今年の干支は丙申であるが、丙には形作っていく、明らかな成長が見えてくるという意味があり、また申には果実が成熟して実が固まっていくという意味があるそうだ。したがって、私たちにとって2016年は将来の実りに向かって成長していく年にしたい」と語った。
続いて、日本ごま油工業会の竹本信二郎会長(竹本油脂・取締役専務執行役員)が挨拶し、ゴマ油業界に関しては「ここ2年ほど非常に高い原料だったが、昨年後半からやっと契約原料価格は安定してきている。しかし、一昨年来発生していた農薬汚染で、どれほどシップバックせざるを得ないか予想がつかず、かなり厚めに原料を調達せざるを得なかった。原料価格低下局面を迎えたが、非常に高い原料の消化が進んでいない状況である。一部のユーザーからは、通関価格が下がってきているので値下げの要望があるが、大変苦慮している。昨年の中国のゴマの輸入量は80万トンと過去最高で、ゴマの流通量の約半分を中国が輸入した計算になる。世界的な異常気象や干ばつ・洪水、ゴマ価格が低下しているため作付面積が減少することも予想される。ゴマの原料の低価格が長期に続くことを予想するのは大変危険である。これまでにも増して、コストに見合った価格に非常に気を配り、長期に経営が持続できるように、確かな安心・安全な製品を供給可能にするように、これからも気を配らなければならない」と述べた。
 その後、農林水産省食料産業局食品製造課の妹尾宏明課長補佐が来賓を代表して祝辞を述べ、引き続き、油糧協を代表して伊藤忠商事油脂・穀物製品部大阪食糧課の天野敏也課長がゴマ相場と、価格にあらわれない日本市場の課題を中心に講演を行った。