• 企業

ライオン濱社長「アジアのリーディングカンパニーを目指す」

 ライオンは2月9日、東京・千代田区の帝国ホテルで、ライオン会および薬品ライオン会共催の「2016年ライオン会総会」を開催した。
 はじめに、ライオン会の会長を務める濱逸夫社長が挨拶を行い、「ライオンは今年創業125年を迎える。現在の国内の経済はなかなか本格的な回復を実感しがたい状況にある。日用品市場においては、販売単価の上昇は継続している。消費増税を契機に顕著になった選択型消費は衰えることなく一層進行していくと考えている。この選択型消費の進行とインバウンド消費に代表される消費のグローバル化により、メーカーの本質がより厳しく問われる。125年の歴史に甘んずることなく、より深く、より広い視点を持って新しい価値を継続して提案し、期待に応えていきたい」と述べた。
 引き続き濱社長はライオンの経営方針を説明した。2012年の社長就任から今年で5年目。2020年の目指す姿とそこに至る基本戦略「Vision2020」を掲げ、事業成長に取り組んできた。15~17年の中期経営計画「∨-2」計画初年度の業績は3年連続の増収増益で、過去最高益を更新する好スタートを切った。濱社長は、ライオンが目指すものとして「くらしと心の新たな価値を提供し続けるアジアのリーディングカンパニー」を挙げた。そのためには「ライオンは国内外の生活者、お客様にいつも選び続けられる存在でありたい。お客様に最も密着し、生活行動・消費行動の変化に最も敏感であり続け、そしてお客様を誰よりも知っている、最も信頼される存在に、ライオンはいつもそうありたい」と強調した。
 2016年の挑戦として濱社長は3つを掲げた。ひとつは、技術とマーケティングイノベーションによる付加価値化の徹底。市場に定着しつつある単価アップを強力に推し進める製品や情報の付加価値化を徹底的に追求していく考えだ。2つめは、グローバルマーケットと連動した国内市場の活性化。これが一層のインバウンド消費の拡大にも繋がると考えている。海外の現地EC(電子商取引)や越境ECを活用したブランド認知の浸透と、国内インバウンド消費への還流も仕掛けたいとしている。そして3つめの挑戦は、Digitalizationの進化。マーケティングの第一人者として知られる米国の経営学者であるフィリップ・コトラー氏が“Digitize or die”と提唱したように、製品開発から製造、物流、販売、情報発信、消費者の使用に至るバリューチェーンすべてにおいて、デジタルの活用に挑戦していく。