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高級アルコール工業が第二工場・研究所を竣工  医薬品原料製造を視野に入れ新たな挑戦の基盤に

 高級アルコール工業は3月24日、新設した第二工場・研究所の見学会および竣工披露パーティーを開催した。
 同日午後にヒルトン成田で行われた竣工披露パーティーで、川合清隆社長は「竣工した第二工場・研究所は構想から4年、用地買収から3年、着工から1年6カ月をかけ、ようやく本日竣工を迎えることができた。成田に本社工場を移設して25年蓄積してきたノウハウをすべて投入した渾身の設備になっている。第二工場・研究所を活用して、安定した品質でお客様の要望に素早く対応するように一層努力する」と挨拶した。
 第二工場・研究所は、同社の本社工場と同じく千葉県成田市の大栄工業団地内にある。同社が長年築いてきた独自のノウハウを最新設備とともに進化させたもので、生産能力の増強に加え、環境対応と作業環境に徹底配慮し、今後、医薬品の原料製造を視野に入れた新たな挑戦の基盤に位置づけている。
 製造棟は地上4階建で、種々のエステル類、グリコール類、高級アルコール類の製造が可能な汎用設備を備えている。原料の供給から、反応、精製、充填までの設備を立体的に配置した非常にコンパクトな構造が特徴だ。すべての製造設備が同社が培ってきたノウハウを結集させたオーダーメイドのオリジナルで、各工程はコンピュータにより基本制御され、安定した品質での生産を可能にしている。また、危険物製造所として安全性に十分配慮した防爆仕様の機器で構成されており、建築基準法や消防法適合の建物と設備になっている。
 事務研究棟は3階建。微生物試験室をはじめとする新たな研究機能を追加し、合成研究室や応用研究室、恒温・恒湿室を2~3階に配置している。1階には、原材料から製造中間体、最終製品に至るまで品質全般の管理を行う品質管理室や、事務室がある。製品開発から基本特性・応用処方・品質保証までを実現する機器を備え、より精度の高いデータ提供を目指す。