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食用油の生食使用拡大狙う日清オイリオグループ

 日清オイリオグループは8月31日、東京・港区のザ・プリンスパークタワー東京に量販店・卸店の部門長やバイヤーらを招き、「秋のプレゼンテーション」を開催した。9月13日に開催した大阪会場と合わせて約700名が来場する中、「鮮度(フレッシュ)が変える!食用油の新しい未来」をテーマに、食用油の価値向上による継続的な市場拡大を提案した。
 同社の推計では、2015年度の家庭用食用油市場は1,432億円と過去最高を更新した。このうち揚げ・焼き・炒めといった従来の用途は1,022億円を占めるが、生食用途が410億円と急増した。それから10年後の未来、2025年には、人口減少などの構造要因もあり従来用途は950億円に減少する一方、生食用途は555億円に拡大すると予想している。
 会場入口正面のステージでは、感情認識ヒューマノイドロボットの“Pepper”君が2025年の一般家庭を訪れ、食卓を紹介する設定で、体に良く食事をおいしくする食用油が並び、オリーブ油やアマニ油、ゴマ油など様々な食用油を健康性で使い分ける未来を描いた。鮮度にこだわった商品開発や色々なメニュー提案を日清オイリオグループが今年から始めたことをきっかけに、新しい食習慣が拡がっていくと提案した。
 今村隆郎社長はビデオメッセージで「未来の食卓では、健康、美容、おいしさアップのために、食材にオイルをそのままかけて食べる食習慣は、より日常的なこととなっているのではないか」とした上で、「当社はこの下期、健康性やおいしさという食用油が持つ従来の価値に、鮮度(フレッシュ)という新たな価値を加えることで、生食用途の使用をさらに拡大していく。食用油の持つ可能性、市場創造のポテンシャルを感じてもらい、ともに市場活性化に向けた取り組みを行いたい」と呼びかけた。
 同社は、“サッ!とおいしい健康習慣”として、フレッシュキープボトルを採用した鮮度のオイルシリーズの展開を強める。既存の「日清アマニ油、BOSCOエキストラバージンオリーブオイル」に加え、今秋新商品で「日清かけて香る純正ごま油」を発売した。特に冬場に向けたメニュー提案で注力するのがオイル鍋。最初にオイルで調理し、仕上げにもオイルをかける新たな鍋メニューが話題になりつつある。