• セミナー

バイテク作物商業栽培20周年記念セミナー

 バイテク情報普及会は9月12日、東京・千代田区のステーションコンファレンス東京において、「バイテク作物商業栽培20周年記念セミナー」を開催した。
 第1部では、過去20年のふり返りとして、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)のポール・テン会長が「バイテク作物のグローバル商品化20周年及び2015年のバイテク作物に関するハイライト」と題して、農業・食品産業技術総合研究機構生物機能利用研究部門の田部井豊主席研究員が「遺伝子組換え農作物開発20年を振り返って」と題してそれぞれ講演した。

 テン氏はまず、バイテク作物の過去20年間における実績に関して、「バイテク作物の栽培面積は累計20億haという驚くべき数字となった。これは30ヵ国に渡り、中国の国土面積の2倍に相当する。毎年1,800万戸の農業生産者たちがこの技術の恩恵を受けているが、このうち9割が小規模のリソースをあまり持たない生産者たちだ。バイテク技術は近年では最も急速に採用されている栽培技術で、これは生産者たちがこのバイテク技術を信頼し、それを求めていることを示している」と振り返り、2015年のバイテク作物の国別栽培状況、新たなバイテク作物の導入状況、将来展望などを語った。
 バイテク作物の栽培面積は、初年度1996年の170万haから、2015年には約1億8,000万haとなり、20年間でおよそ100倍に拡大した。

 続いて田部井氏は、日本国内で野外栽培が認められた遺伝子組換え農作物や、研究開発の歩みを振り返りつつ、各地で起こった栽培への反対運動の経緯などを説明した。国民の受容に向けてはしっかりとした情報提供や情報の信頼性が重要であるとし、行政の取り組みや社会実装が期待される遺伝子組換え生物などを紹介した。

 第2部では、各界の立場から見たバイテク作物、技術に対する期待として、6名の講師が講演した。