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アメリカ穀物協会が「米国コーン・アウトルック・カンファレンス2017」を開催

 アメリカ穀物協会は1月19日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京において「米国コーン・アウトルック・カンファレンス2017」を開催した。
 当日は、「アメリカ穀物協会トウモロコシ収穫時品質レポート2016/17」(アメリカ穀物協会のキンバリー・アトキンス副理事長兼COO)、「2016‐2017年トウモロコシ需給展望と米国トウモロコシの作物予測」(同協会のジム・スティッツレイン理事〔CGB社〕)、「生産者から見たトウモロコシの生産」(同協会のディック・ギャラハー理事、同協会のアラン・ティーマン元会長)という4題の講演のほか、パネルディスカッションも行われた。
 キンバリー・アトキンス氏は、2016/17年の米国産のトウモロコシの品質レポートについて報告した。
 まず、生育状況に影響を与える天候について説明し、作付時期(4月上旬~6月頭)は、降雨量と気温は変動するものの温暖な春を迎えた。その結果、どの期間においても生育に大きなばらつきがあった。シルキング(6月下旬~8月上旬)の時期は、夜間が高温になるとともに記録上5番目に多雨な夏となった。それにより、良好な穀粒容積、高油分につながったが、病害のストレスも多少あった。収穫時期は、例年並以上の暖かさで、平均以上の多雨があった。収穫は例年並のペースで進捗するとともに、良好な容積重・穀粒重量、低ストレスクラックの要因となった。
 たん白は、平均8.6%(乾燥ベース、以下同)で前年(8.2%)、前々年(8.5%)を上回り、ばらつきはこれらの年を下回った。このことは「登熟期の窒素吸収が良好だったことが表れている」と説明した。北西部ECAのたん白は8.8%で、過去3年、5年平均と比較して最も高い傾向がある。
 でん粉は、平均72.5%で、前年(73.6%)、前年年(73.5%)、5年平均を下回った。ガルフECA、南部鉄道網ECAは夜間の平均気温が高いため、登熟期のでん粉蓄積の抑制要因となった可能性があるという。
 油分は平均4.0%で、前年(3.8%)、前々年(3.8%)、過去5年平均をわずかに上回った。アトキンス氏は「光合成が良好な年には、炭水化物が増加し、油分が胚に含まれる量が増加する」と指摘した。