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JaSPOC実行委員会が「持続可能なパーム油会議」を開催

 JaSPOC実行委員会(共同代表:イオン、日本生活協同組合連合会)は11月6日、国連大学において「持続可能なパーム油会議(JaSPOC)‐2020年に向けたパーム油調達のあり方を考える‐」を開催した。
 近年、気候変動、森林破壊、人権侵害等の課題解決の取り組みとして「持続可能な原材料の調達」に対する関心が高まっている。今回の会議は、昨年の「RSPO ジャパン・デー2016」に続くイベントとしてパーム油の持続可能性をテーマに開催された。
 当日は、基調講演「ビジネスとSDGs」、「パネルディスカッション1:つくる責任・つかう責任」、講演「サプライチェーン上の人権課題を見る」、講演「EUにおけるパーム油調達戦略」、講演「投資家から見た持続可能な調達」、講演「国際イベントの調達コードを考える」、講演「日本におけるパーム油の持続可能な調達」、「パネルディスカッション2:2020年を目指したパーム油調達」などのプログラムを実施し、参加者は議論を深めた。
 「パネルディスカッション2」では、パーム油関連の主要メーカー、大手流通業者らが登壇し、日本における持続可能な調達のあり方について議論を深めた。なお、ファシリテーターは、三井物産の武藤直人油脂事業室長が務めた。
 メーカー側の取り組みについて、不二製油グループ本社、味の素、花王、サラヤが説明した。
 不二製油グループ本社CSR・リスクマネジメントグループの山田遥氏は、RSPOの加盟や認証油の対応を進めていることのほか、2020年までに搾油工場までのトレーサビリティ把握に取り組んでいることを説明した。さらに、同社はマレーシアのサバ州で、小規模農家における認証取得の支援を行っている。山田氏は、「環境問題、人権問題は農園で起きているが、1社の努力ではサプライチェーンの改善は難しい」と課題を指摘した。
 花王の田中秀輝執行役員購買部門統轄は、最近の取り組みについて、今年6月に「Kao Group Modern Slavery Statement」を策定し、人権の尊重に対する新たな指針を発表したほか、調達先のガイドラインを改定し、サプライチェーン上の監視を強めている。同社は小規模農家の把握のため、トレーサビリティ確立の取り組みとしてブルーナンバーに国内で2番目に加入した。また、大手の会社に対しては、Sedexの活用を行っている。