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かどや製油が上期の営業概況を報告
カタギ食品のグループ入りで協業メリット期待

 かどや製油は11月7日、ウエスティンホテル大阪で記者会見を開き、2018年3月期第2四半期決算の概況とカタギ食品のグループ入りについて説明した。
 かどや製油の上期(4~9月)の業績は、売上高152億3,800万円(前年同期比4.0%増)、営業利益28億4,400万円(同61.7%増)、経常利益28億8,500万円(同107.5%増)、四半期純利益19億6,400万円(同110.5%増)となった。小澤社長は業績を報告した上で、ゴマ油の販売状況について「積極的に拡売し、家庭用(5.0%増)も業務用(8.7%増)も伸びている。輸出用も好調で3.7%増えている。販売価格は、家庭用が少々厳しくなり0.3%減、業務用も3.3%落ちている。輸出用は為替の影響もあるが1.5%伸びた」と振り返った。また、通期見通しについては、売上高285億円(前年比ほぼ横ばい)、営業利益36億円(同0.4%増、経常利益36億円(同6.6%増)、当期純利益24億5,000万円(同8.3%減)で、従来から変更せず堅実な予想を立てている。その理由について小澤社長は「これから原料価格が徐々に上がってきていることや、運賃、副資材等も値上げになっている影響も出てくる。値引き要求が業務用で強く言われ、ある程度対応する必要があるかもしれない。家庭用も競争が激しく、ある程度(拡売条件)対応をしていくために利益が下がるような予想している」と述べた。
 一方、同社は10月30日、食品ゴマ大手のカタギ食品の全株式(自己株式を除く)を取得し、グループ化すると発表した。小澤社長は「カタギ食品は100年近い歴史をで、本社・寝屋川工場、2支店、3営業所を持って全国展開している。特に家庭用食品ゴマに強く、積極的に販売している。(2017年3月期の)売上高は34億円あり、当期純利益が1億2,000万円近く、家庭用の食品ゴマ中心で商売をしていくのは難しい中でしっかり利益を確保されている。当社としてはカタギ食品にグループに入って自主的な経営をしてもらう」と語った。
 会見にはカタギ食品の片木精治相談役、高田直幸社長も同席した。片木相談役は「かどや製油との事業形態に違いがあり、当社は業務用は力をあまり力を入れておらず、ゴマ油は全然扱っていない。家庭用をメインに、日本の市場の占有率で25%くらいの食品ゴマを北海道から九州まで販売している。社号、ブランドはそのままで良い、お互い一生懸命やっていこうと温かい言葉をもらい、かどや製油の傘下に入ることができた。ホッとしているが、この厚意に甘えず、小は小なりに、ゴマ粒も小さいがそのゴマに負けないように気持ちは大きく持って努力していきたい」と述べた。
 また、高田社長は「家庭用の食品ゴマではそれなりのプレゼンスがあると自負しているので、最大手のかどや製油と一緒になり、かどやグループ全体が企業としてより発展し、ゴマがより社会に認知されるように力になれればと考えている。片木相談役の決意があってのことで、従業員、顧客にも好意的に受け止められている。これから社員一同、グループの一員として頑張りたい」と意気込みを述べた。
 かどや製油の食品ゴマ事業は、家庭用に比べて業務用の構成比が高いのに対し、カタギ食品は家庭用に強く、シナジー効果が見込める部分もある。小澤社長は「色々なかたちで協業して拡大していきたい」としている。なお、11月16日付で馬場取締役は、販売業務部長兼物流部長の任を離れ、かどや製油取締役執行役員兼カタギ食品の副社長(出向)に就任した。