• 企業

昭和産業が体験型内定式天ぷら研修を実施
来年度導入するマイスター制度の実技も兼ね

 昭和産業は10月1日、同本社のプレゼンルームで、来年度入社予定の内定者を対象に「体験型内定式天ぷら研修」を実施した。当日、内定式終了後に内定者33名(男性20名、女性13名/院卒15名、学卒18名)がスーツ姿からエプロン、バンダナ姿に着替え、今秋冬家庭用新商品で苦味・辛味が弱いタイプのオリーブ油「オリーブオイル生活」や、ロングセラーの「天ぷら粉黄金」を使用して天ぷら研修に臨んだ。研修には中村圭介代表取締役専務執行役員(生産・技術部門統括)、太田隆行取締役執行役員(営業部門統括)が職人姿に扮して、内定者に天ぷらのおいしい揚げ方を直接指導した。
 この天ぷら研修は今年で3回目となった。中村専務が同研修の冒頭に「長期ビジョンの行動指針である“SHOWA 魂”を来春から新たに仲間になる内定者に研修を通じて伝えるとともに、歴史ある商品を通して昭和産業への理解を深め、社会人になることへの自覚を持ってもらえればと考えている」と述べたように、同社製品を使った研修を通した製品理解や企業理解に加え、学生から社会人になることへの意識改革を目的に実施している。
 研修では、同社商品開発研究所のベテランスタッフから天ぷら調理の実演を交えて説明を受けた後、内定者は6班に分かれてエビ、鶏肉からかぼちゃやナス、ニガタケといった野菜類、柿、銀杏、イチジクなどの果実類、饅頭、のり巻きなど多彩な食材が用意された中、テーマを決めて天ぷら調理に挑戦した。内定者の多くが天ぷらに初挑戦ということもあって、発想力やチームワーク、臨機応変な対応が求められる。テーマを「30min どれだけ揚げれるか。チャレンジ盛り」に決めたE班がいち早く揚げ始めると、他の班もそれぞれ「天ぷらの世代交代」「~好奇心~」「#南国」「秋の紅葉弁当」「よくばりざんまい!」などをテーマに思い思いの天ぷらを揚げ、最後に完成品を自身らで味わった。
 また、昭和産業は、天ぷら研修を行った10月1日付けで、「天ぷらに関するマイスター制度(技能認定制度)」を来年の4月より社内導入することを発表した。中村専務は「2020年の家庭用天ぷら粉発売60周年に向けて、より多くの方々に“天ぷらを手軽に、もっとおいしく”楽しんで頂くための取り組みのひとつ。これまでに蓄積されてきた天ぷら、あるいは天ぷら粉に関連した知識、技術、技能などの資産を体系的に整理し、次世代への継承と発展を目的にした当社独自の認定制度である。本日、研修に参加した内定者については、天ぷらの実技は終了となり、筆記テストを合格すると、天ぷらに関するマイスター制度の初級が入社後に認定されることになる」と話した。
 代表的な日本料理のひとつでもある天ぷらの認知を広め、愛着感を醸成していくことが天ぷらを構成する素材「粉と油」を製造販売する企業としての役割でもあるとの認識を具現化したものだ。自社で制定した資格認定規則に基づいて、天ぷらに関する知識や技能の保有レベルを検定し、初級(楽しむ)、中級(知る)、上級(活用する、広める、創る)などの資格を独自で認定する。2020年には上級認定者の輩出を予定している。同社は、この制度を活用して、天ぷら粉の情報発信を活性化し、多くの人の理解・関心を高めて天ぷら調理や喫食機会のさらなる増加を目指す考えだ。