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日油がキウイフルーツ果汁末で新たな知見

 日油は10月6日、キウイフルーツ果汁末に関する研究結果についてオンライン上で記者会見を開催した。
 冒頭、斎藤学執行役員食品事業部長が「新型コロナウイルス感染症の蔓延により人々の行動様式は変わり、商品に求められる価値や使われ方も変わっている。『安心』『健康』が最も大事な価値として扱われ、われわれ企業も成長志向からサステナビリティに軸足を移している。このような世の中の大きな流れの中、健康的な新しい生活に向けて、改めて食生活が見直されてきている。たんぱく質を補給する食品の市場の裾野も大きく広がっている。今回の研究結果が”たんぱく質の補給”という社会的な健康課題の解決に貢献できればと願っている」などと挨拶した。
 続いて、食品事業部食品研究所第3グループの上岡勇輝氏が研究内容について報告した。キウイフルーツ果汁末によるたんぱく質消化促進作用は、プロテイン商品への応用が期待できるとして、今回、ホエイプロテインとキウイフルーツ果汁末を一緒に摂取した際に、キウイフルーツ果汁末によりたんぱく質の吸収が促進されるか、また排便の影響についてもヒト試験を行った。健常者男女10人に対して、二重盲検クロスオーバー試験を行い、14日目の摂取時にプロテイン摂取による血中アミノ酸濃度の上昇を評価した。試験中は、参加者は被験食として、キウイフルーツ果汁末500mlとホエイプロテイン(たんぱく質約20g)を摂取した。
 試験の結果によると、総アミノ酸の濃度については、キウイフルーツ果汁末添加の方が、対象食に比べてホエイプロテインのたんぱく質の吸収量が有意に増加した。また、筋肉・パファーマンス向上等に期待されているBCAAにおいても吸収量が有意に上がった。さらに、排便については、便が硬い被験者5名を解析したところ、ホエイプロテイン摂取2週目で改善傾向が確認された。