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三洋化成が全樹脂電池の事業開発を加速

 三洋化成工業は2020年12月21日、東京支社において、次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の事業開発を行うAPBへの追加出資について記者会見を行った。
 記者会見には、三洋化成の安藤孝夫社長、APBの堀江英明社長、同じく進藤康裕取締役らが出席した。
 三洋化成は、2018年にAPBと資本業務提携を行い、全樹脂電池の事業開発の促進を全面的に支援してきた。
 全樹脂電池は、活物質に樹脂被覆を行い、樹脂集電体に塗布することで電極を形成している。独自プロセスにより、従来のリチウムイオン電池よりも工程を短縮できることで、製造コスト・リードタイムの削減を実現するとともに、これまでにない高い異常時の信頼性とエネルギー密度を実現する。さらに、部品点数が少なくて済むハイポーラ積層型で樹脂で構成しているため、電極の厚膜化が容易に行えるとともに、セルの大型化が可能で形状自由度が高いことも特長である。
 APBは、全樹脂電池技術の量産体制の確立を実現するために、総額100億円規模の増資を進めてきた。今回、残っていた11億円の出資について、新たにAPBの筆頭株主である三洋化成、製造設備会社メーカーの新東工業、金融機関系VCの三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合の3社が合計11億円の追加出資を行うことになった。そのうち三洋化成が7億円を引き受けた。