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ADEKAの第2四半期決算は減収・減益

 ADEKAは11月21日、同本社で第150期第2四半期決算説明会を開催した。
 当期の連結業績は、売上高854億8,500万円(前期比0.7%減)、営業利益43億3,700万円(同41.1%減)、経常利益40億2,000万円(同42.8%減)、四半期純利益19億7,200万円(同47.1%減)となった。櫻井邦彦社長は「東日本大震災の被害を受けた国内4工場は、6月末までに順次復旧し、安定供給できる生産体制を整えたが、操業停止の影響が甚大であった。加えて、世界景気の先行きは不透明感が増しており、原材料価格の高止まり、円高進行など当社グループを取り巻く事業環境は厳しく、減収減益を余儀なくされた」と語った。しかし、樹脂添加剤や食品に次ぐ第3の柱への育成を進める情報・電子化学品事業については、「半導体メモリ向け高誘電材料など競争力の高い製品は伸長した」としている。

 セグメント別では、情報・電子が増収・微減益、機能化学品が増収・減益、基礎化学品が減収・減益、食品が減収・減益となった。機能化学品の中で、界面活性剤については、塗料や衣料用洗剤、化粧品向けなどが堅調だった。食品については、鹿島工場の被災により販売数量が大きく落ち込み、5月初旬の生産回復から9月には震災前の数量に概ね戻ったものの、売上高は前期比18億円減の227億円、原料価格高騰の影響が大きく同15億円減の4億円の営業損失となった。

 通期の連結業績予想は売上高1,800億円、営業利益112億円、経常利益111億円、当期純利益63億円としている。コア事業に位置づける樹脂添加剤、食品の競争力強化に加え、情報・電子の第3の柱とするべく拡大を図る。さらに、エネルギーや環境、ライフサイエンスをターゲット分野に競争優位な製品開発を加速していく方針だ。
 特に食品については、、通期の営業黒字を最重要課題に、販売数量の拡大と、バター風味豊かなマーガリン「アロマーデ」等の高機能品の増販に注力する。