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ボーソー油脂は増収増益、業績は急回復

ボーソー油脂は5月14日、東京・八重洲の富士屋ホテルにおいて平成24年3月期の決算報告記者会見を開催した。
 冒頭、挨拶に立った垂水龍介社長は「この1年を振り返っると、3月11日の震災後の復興ということで当初は苦労もあったが、4月一杯で回復し、その後はフル稼働になった。業界は、原料が上がってくる中で、原料に合う価格に製品価格を上げていかなければならないが、思うようにはいかないのも事実。早急に、原料を買えるような価格にする必要があると考えている。コメ油については、福島など放射能の影響があると思われて、飼料関係の脱脂糠のチェックが厳しくなっている。放射能の分析機器を入れて測定しているが、問題になるような放射能は出てきていない。油にはもともと移行しないので問題ない」と語った。
 同社の連結成績については難波克行取締役執行役員が報告し「売上高は195億7,800万円(前期比107.2%)、営業利益は3億4,200万円、経常利益は3億2,800万円となった。前期は、経常利益が7,800万円の赤字だった。平成10年3月期以来の赤字だった。ナタネシードが400 ドルから600ドルまで上がったことが響いた。上がり方が急で、製品価格の改定が追い付かなかった。今期は営業利益、経常利益とも4億円改善した。食用油の販売数量が約8万トンあるので、5円売価が改善したということになる。部門別の売り上げは油脂が、151億円となり、15億円の増加となった。数量は若干減少したが、単価が1年かけて上がってきた。油粕は、36億5,000 万円で1億6,600 万円の減少となった。単価が10%近く下がったため数量は増えたが、売り上げが下がった。生糠が堅調に集まり、脱脂糠が大幅に増加した」と語った。