辻製油が65周年記念・祝賀会を開催
夢の実現、地元に貢献できる会社を目指す
posted on : 2012.08.20
辻製油は8月17日、創立65周年記念式典・祝賀会を三重県松阪市のフレックスホテルにおいて開催した。同社グループの社員とパート、派遣社員など147人が出席した。取引先や関係者には声をかけないで、内輪のパーティとした。
記念式典では、辻保彦社長の挨拶と地元三重県立相可(おうか)高校の村林新吾教諭の記念講演「人も料理も仕込み次第」が行われた。
辻社長は「当社が65周年を迎えられたのは、ひとえに地元の皆様に支えられてきたお蔭と考えています。ナタネの搾油から始めて、今は売り上げ170億円になりました。今日お話頂く村林先生は料理での人造りの大切さを唱えておられます。辻製油も同じで人があってこそ、商品があり世の中を幸せにできると思います」と語った。
村林教諭は相可高校食物調理科で教鞭をとる傍ら、調理クラブ顧問として高校生だけで運営から調理、接客まで行う高校生レストラン「まごの店」を指導し、地場の活性化に大きな貢献をしている。「まごの店」は週末だけに開店し、年間8,000万円を売り上げている。村林氏は講演の中で、「まごの店は高校生が売りではない。絶対にウソをつかない、まじめにやるという方針で、たとえばダシは、カツオとコンブを煮出して直接ダシをとると、1+1が6にもなる。自然のうま味、旬の野菜、昔からのやり方、アナログが大切だと考えている」と語った。
午後からの祝賀会で、辻社長は同社の歴史に触れ、「先代社長は昭和21年にスマトラから帰って大倉商事に勤めたが、三重から大阪までの通勤がつらく、独立することとしナタネの搾油を始めた。お金もないので、母方の家から土地と建物を使わせてもらった。昭和45年、ナタネが輸入に切り替わり山工場でナタネの搾油ができなくなって、コーンジャームの搾油工場を建設した。この時に私も呼び戻され、家業を手伝うことになった。内陸の搾油だけでは限界があるので、レシチンに目をつけた。粉末レシチンを日本で最初に開発し製品化した。コーンの搾油もどんどん量は増えたが、油の販売が進まなかった。その時に昭和産業の三原さんを訪ねてコーン油を買ってもらえるようお願いにいった。三原さんが50トンのコーン油を買ってくれた。タンクローリーで鶴見工場に運んだ時は涙が出るような思いだった」と振り返った。その後、昭和63年に5億円を投資して連続抽出設備を導入し、日産400トン能力へと大幅なキャパアップを図った。
同社が第二創業時代で目指しているのは、地元への貢献と地域資源の活用。すでに間伐材を利用したバイオマス設備が4年前に完成しており、今年は「まごの店」との提携で地元で栽培した無臭ニンニクを使った「辻さん家の黒にんにくドレッシング」を売り出している。
辻社長は「夢のある限り青春」を合言葉に「今日より明日、来年より5年後の夢の実現、地元に貢献できる会社を目指そうではありませんか」と社員に呼びかけ締めくくった。