• 企業

かどや製油が中間決算説明会を開催 家庭用ごま油はラージサイズの特売を増加

 かどや製油は11月7日、東京・中央区の八重洲ファーストファイナンシャルビルにおいて2013年3月期第2四半期決算説明会を開催した。
 第2四半期の業績は、売上高109億7,100万円(前期比0.1%増)、営業利益12億8,500万円(同19.0%減)、経常利益13億600万円(同17.1%減)、四半期純利益8億7,200万円(同4.4%減)の微増収減益となった。

 カテゴリー別の売上高は、ごま油が87億9,200万円(前期86億9,300万円)、食品ごまが19億4,100万円(同19億9,900万円)、脱脂ごま他が2億3,700万円(同2億5,800万円)となった。ごま油については、家庭用は販売競争が激しく微減となるも、業務用・輸出用が増加し、販売数量は2.5%増加した。ただ、販売価格は、家庭用が安価攻勢の中、販売費で対応したほか、業務用も他社の値下げ攻勢により低下した。家庭用の販売費を差し引くとごま油の売り上げは実質的に減少している。一方、食品ごまは、数量・価格とも1.5%減少した。

 通期の業績予想は前回発表を据え置き、売上高220億円(前期比2.9%増)、営業利益26億円(同0.3%減)、経常利益26億円(同0.4%減)、当期純利益15億円(同4.2%増)をめざす。
 下期のごま油の販売について小澤社長は「主力製品である200g以外のラージサイズの特売回数を増加する。業務用では販促キャンペーンを実施し、全国の卸店と勉強会や共同開発を通じて提案を強化する。惣菜、冷凍食品メーカー等に対しての新顧客開拓を行う。輸出用は北米既存ビジネスの伸長と欧州向けビジネスの市場獲得、新規PB商品の開発に取り組む」と語った。
 一方、食品ごまについては、外食不振から内食へのシフトが見られる中、中小メーカーとの価格競争が激化している。家庭用では、ごま油の使用法を示したレシピ提案等による新規PBコンペの獲得と、量販店における定番化の強化を進める。業務用は、大口卸への重点拡販キャンペーンや、大口加工ユーザーへの拡販に取り組む。

 2012~14年度の中期計画では、15年3月期の売上高231億円、経常利益28億5,000万円を目標に掲げている。家庭用ごま油については、13年3月期は販売数量を前期比103%をめざしており、13年度、14年度はそれぞれ前期比漸増の計画。純正ごま油200g主体の販売戦略から300g・400gのラージサイズを含めた主力3品を中心に、その他製品もバランスをよく拡販を実施していく方針だ。また業務用ごま油は、13年3月期は新規顧客獲得による数量増を含め前期比104%をめざす。13年度、14年度はそれぞれ前期比漸増を計画している。一方、輸出用ごま油については、毎年5%増が目標、食品胡麻については、加工メーカーや家庭用PB提案にも注力していく考えで、「価格を下げて増販こともいとわず、採算ギリギリでも獲っていきたい」と小澤社長。

 なお、搾油用原料の動向について戸倉章博取締役は、「6月以降収穫されたタンザニアやモザンビーク等の東アフリカにおいて、米国の干ばつによる大豆やコーンといった穀物価格が高騰し、中国の旺盛な需要等の影響も受け、1,200~1,300ドル/トンから一気に1,500ドルまで高騰した。11月以降にナイジェリアやブルキナ・ファソといった西アフリカの収穫時期を迎え、天候も順調で生産量は昨年同等以上になる見通しだ。価格は一旦軟化したが、世界3大産地のインド、中国、ミャンマーにおいて、いずれも干ばつ等の天候要因により減産見通しとなっており、足元の価格は再び1,400ドル以上に上昇している」と語った。波乱要因として、中国の急激な買い付けや天候不順による減産、他穀物価格の高騰などを注視していくという。