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かどや製油が輸出ゴマ油拡販加速に向け海外充填設備を検討

 かどや製油は5月30日、東京・中央区の野村證券日本橋本社で2014年3月期決算説明会を開催した。当期の業績は売上高218億9,000万円(前年比2.1%増)、営業利益16億6,400万円(同26.8%減)、経常利益19億7,100万円(同22.3%減)、当期純利益11億5,100万円(同25.5%減)の増収減益。
 小澤二郎社長はゴマ油の販売状況について「家庭用は昨年5月より拡売条件費を圧縮し、10月には価格改定を行った。この間、変動費までカバーできないものはPBでも辞退したので、競合他社がシェアを取っていった。今期は、じっと見ているわけにいかない。変動費をカバーできるものは販売数量の回復を行いたい。家庭用のボトルをガラス瓶からPETに変え、軽量化を図る。持ち運びや使いやすさを追求し、今、市場に登場させてきている。メニュー提案や他メーカー商品とのコラボレーションで、ゴマ油のPRを積極的に行いたい」と語った。業務用は「(昨年)5月、10月と2回に渡り価格改定を実施した。原料状況や為替については取引先も専門家であり、それなりに受け入れられ、販売数量・金額とも少し伸びた。今期も6月から値上げを行い、少しでもカバーしたい。新しい大口の取引先が徐々につき、数量・金額とも今期も増えると考えている。惣菜、デザート市場の開拓に当社から積極的に提案したい」という。
 一方、好調なのが輸出用。「北米を中心に販売が伸びている。円安メリットもあるので、前期に続き今期も通期で数量4%増をめざす。ウォルマートやセイフウェイ、ターゲットなど大手スーパーは様々あるが、PBにも一部採用され4月から納入しているものもあり数字は伸びてきている」と近況を報告した。昨年度の輸出用ゴマ油の販売数量は約4,540トン。「今期はおそらく2割程度伸ばせると期待しており、できるだけ早い時期に40億円の大台に乗せたい」と意気込む。「輸出が拡大しているので、すべて完成品を小豆島工場から出荷するのが良いのか、この5月の連休も米国へ行き調べている。最初は日本からバラでゴマ油を持って行き、向こうで充填して販売することも考えなければいけない。最終的には海外に生産拠点を持つことも必要と思うので、できるだけ時間をかけずに検討したい。日本は少子高齢化で需要が低迷し始めており、打開策として(セサミン等の)通信販売もあるが、輸出の拡大をより早めることも必要と思っている」との考えを示した。
 2015年3月期の業績は、売上高245億円(前年比11.9%増)、営業利益14億円(同15.9%減)、経常利益14億円(同29.0%減)、当期純利益8億8,000万円(同23.6%減)の予想。