• 企業

ミツウロコがハンバーガー店を展開
米「カールス・ジュニア」を10年後に150店舗へ

 ミツウロコグループホールディングス(以下ミツウロコ)と米国のCKEレストランホールディングス(以下CKE)は12月19日、東京・大手町のパレスホテルで記者会見を開き、CKE傘下のCJR社が世界的に展開するクイックサービスレストラン(QSR)チェーン「カールス・ジュニア」レストランの日本国内における店舗運営やフランチャイズ事業展開について、ミツウロコが独占権を取得することで合意したと発表した。同日付でミツウロコは同事業の運営子会社としてカールスジュニアジャパンを設立した。今年秋に東京に1号店を開き、10年後に150店舗の出店を目指す。
 CKEはカールス・ジュニアとハーディーズという2つのハンバーガーチェーンを運営しており、世界で3,500以上の店舗を展開しており、売上高は40億ドルを超える。「カールス・ジュニアでは、ファストフード店で通常期待されるより遥かに優れたダイニング経験をお客様に提供している。品質や味、イノベーションに重きを置き、単に競合他社に追随するのではなく、業界で先人を切ることを重視している」(CKEのE.マイケル・マーフィー社長:写真中央左)というように、QSRの中でもプレミアムを大きく意識した展開に独自性がある。
 「アンガスビース100%のバーガーを提供し、バンズも毎日店舗で焼き上げている。(サイドメニューの)チキンも手で粉を付け、アイスクリームも手持ちのスコップで盛る本物のシェイクだ。朝食用のビスケットも生地から店舗で手作りしている」(CKEのインターナショナル社長ネッド・ライアリー氏:写真左端)ことに加えて、テーブルまでメニューを届ける形式や、居心地の良い空間へのこだわりなど、プレミアムなQSRがカールス・ジュニアの特徴となっている。

 一方、ミツウロコはエネルギー事業をコア事業とする生活サービス商社で「豊かなくらしのにないて」を経営理念としている。「古くから練炭事業を通じて治山治水に貢献し、近年ではLPガス事業で地方と都市の格差解消に貢献してきたが、現在では“医食住のアイディアとともに、進化するエネルギープロバイダーになる”ことを掲げて企業革新に努めている」(ミツウロコの田島晃平社長:写真中央右)というように、エネルギー事業や電力事業だけでなく、プロパティマネジメント・健康スポーツ事業やフード&ビバレッジ事業にも力を入れている。成長のための次の一手を検討する中で、5~6年前から独自にカールス・ジュニアについて研究していた最中、カールス・ジュニアの日本進出報道を受けて、「当社からアプローチした。(昨年)8月に当社の検討チームが米国を訪問し、事業内容を詳しく精査して、新商品を含めての美味しい味とフレンドリーで丁寧なサービスから、高い品質、サービス、価値、おもてなしを体感した。ミツウロコグループとして長く持ち続けてきた熱意についても伝え、相互理解を深めてきた」(田島社長)という。

 事業展開については、新たに設立されたカールスジュニアジャパンの渡邉雅人社長(写真右端)が説明した。まず、店舗展開については、首都圏を中心に展開し、ブランドイメージを浸透させていく。直営店に加え、フランチャイズ加盟店も募集する。「10年で150店舗の出店を考えている。2年目から出店ペースを速め、5年を目処に事業売上高を50億円、70店舗に到達させたい。計画では10年以内に120億円の事業売上高を目指す。1号店は2015年秋、首都圏にオープン予定である。直営店に加えて、フランチャイズでの店舗展開により、店舗網を充実する。当社の1,500を超えるエネルギー事情での代理店の多くとは、半世紀を超えて強力なパートナーとして付き合っている。この既存代理店についても、カールス・ジュニアのフランチャイズの加盟店の候補として有望であると想定している」(渡邉社長)という。
 主力メニューの販売価格帯は、「現在、競合他社がすでに値上げの方向にある。その価格動向を見ながらになるが、当社はプレミアム価格帯であり、ひたすら安いものでお客様の満足を追求するものではない。中心価格帯として想定しているのは、主なメニューで幅はあるが、500~700円、セットメニューではもう少し高いくらい。700円以内くらいでセットが揃うことを考えているが、今後の動向を色々見て判断したい」(渡邉社長)と含みを持たせた。