地球と人にやさしい食「大豆ルネサンス」
posted on : 2015.06.12
不二製油が協賛する「2015 ミラノ万博プロジェクト 日・伊『食文化交流』地球と人にやさしい食『大豆ルネサンス』」が、5月19日、東京・港区の在日イタリア大使館において催された。
日・伊「食文化交流」プロジェクトは、飢餓や食の安全といった食に関する様々な世界の問題を取り上げ、日本の食文化を担う大豆の新たな価値創造を図る「大豆ルネサンス」をコンセプトに、ともにユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」とイタリア「地中海式ダイエット」の食品のコラボレーションに挑戦し普及を図っている。
発表会では初めに、イタリア共和国大使館のドメニコ・ジョルジ大使が「お互いの国は遠く離れているし伝統も違う。しかし、料理は多くの共通点を備えている。まずは新鮮さ。また、その地方に根差した食材を使うこと。そしてあまり加工しないというシンプルな形での表現がある」と述べ、ミラノ万博日本館への期待を示した。
協賛企業代表として挨拶した不二製油の清水洋史社長は、イタリアと日本の関係について「植物性の食品で基本的なうま味と言われるグルタミン酸が一番多いのはトマトと大豆だ」と紹介し、「大豆は発酵するだけでとてもおいしくなる。しかも油が20%、たん白が30%も入っている。こんな植物は他にないのでとても貴重な植物。あまりに貴重なので虫や動物が食べてしまうのを阻止するためにトリプシンインヒビターなる物質が入っている。(これがたん白分解酵素のトリプシンの作用を阻害するため)大豆は生で食べるとお腹を壊す。これを簡単に失活させるには加熱をする。火を使うのは人間だけだ。神様は人間を生かすためにこの植物をくれたと実は考えている」と語った。また、ミラノ万博については「日本の新しい食の技術としてフリーズドライ、寿司ロボット、そして大豆の分離分画技術が出ている。これがUSSだ」と述べ、同社が創業以来大豆たん白を研究していることに関して「大豆の研究が世界の人たちのために、健康と美味しさで貢献することになるのだという信念を持って今日までやってきた。この機会を与えられたことはとても嬉しい」と挨拶した。
この後リータ・マンネッラ・ジョルジイタリア大使夫人の挨拶に続いて、京都・祇園の老舗料亭「菊乃井」主人である村田吉弘氏と、イタリアンレストラン「イル ギオットーネ」のオーナーシェフである笹島保弘氏が登壇し、スペシャルゲストとして登場した女優の杏さんとともにトークセッションを行った。村田氏は和食について「非常にカロリーが低い。懐石だと全部食べても65品目あるが1,000kcalにしかならない。またヘルシーな料理であることが今世界でも注目されているのだろう。それから、だしとうま味が世界中に広まっている」とし、「イタリア料理と同じように素材の持ち味を大切にすることが世界で受けているのだと思う」と語った。笹島氏は「大豆は日本の伝統的な食材だからイタリア料理に使わない手はないということで、今日用意している料理は語呂合わせでソイタリアンと呼んでいる。ソイというのはイタリアでも大豆や醤油といった日本のペーストだと十分理解されている」と述べ、“ソイタリアン”普及への期待を語った。杏さんは「今回日本とイタリアが食を通してつながる素敵なイベントに声をかけていただいて、大変光栄に思う」と挨拶し、自身の食生活における大豆との関わりや料理の習慣などを話した。
試食会では、村田氏、笹島氏、リータ夫人による、日伊の食材や不二製油の豆乳クリームを使用した料理とスイーツが振る舞われた。