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オリーブ・ニュージーランドの会長が来日

 2015年12月中旬に、オリーブ・ニュージーランド(Olives New Zealand)のAndrew Taylor会長が初来日した。オリーブ・ニュージーランドは同国のオリーブ産業が高品質で高級なEXVオリーブオイルやオリーブ製品を生産し、国内外に販売する環境を形成するために、1996年に設立された団体で、近年は、生産者や加工業者、販売業者など200のメンバーで構成されている。日本オリーブオイルテイスター協会(JOOTA)の長友姫世会長が昨秋、「2015 New Zealand Extra Virgin Olive Oil Awards」の審査員を務めた関係もあって来日が実現し、JOOTAは12月15日にTaylor会長来日企画セミナー&ディナー「味わう学ぶ~ニュージーランドオリーブオイルの世界~」を開催した。

 ニュージーランドで本格的にオリーブの栽培が始まったのは30年前のこと。1986年にイスラエル人のギデオン・ブルメンフェルド氏が故郷から木を輸入し、南島のBlenheimに植え、イタリアから商業用の圧搾機を初めて輸入した。その後、オリーブに対する関心は1990年代に急上昇し、20万本の木が同国全土に植えられた。
 しかし、植えた品種が土地に適さなかったり、オリーブよりも生産性の高いブドウなどに変わっていったところもある。同協会によるオリーブグローブ国勢調査によると、1991年から2014年までに植えられたオリーブの木の総数は32万本となっている。、Taylor会長によると、小規模で運営する個人オーナーが多く、各農園は「だいたい300本の木、多くても3,000~4,000本の木で運営している」という。大規模な農園は、Hawke's Bayに3カ所(3万8,000本、2万7,541本、1万5,039本)と、Aucklandに1カ所(4万300本)、Nelsonに1カ所(9,000本)、Marlboroughに1カ所(5,117本)ある程度だ。
  同国の統計調査によると、2013年6月時点でオリーブの栽培面積は2,173haとなっている。その3分の2が北島、残りが南島という割合である。搾油工場の数は40以上あり、同じくその3分の2が北島にある。ニュージーランドの平年のオリーブオイル生産量は40万リットル(約365トン)を上回る程度しかない。一方で、オリーブオイルの消費量は年間450万リットル(約4,100トン)で、1人当たり年間約1リットルを消費していると推定される。しかし、その90%以上が輸入品だ。欧州などの生産国と異なり、ニュージーランドではオリーブ栽培に利用できる農業助成金システムはない。また、南半球に位置するため、オリーブ栽培用の農機や、搾油機などの設備の輸入コストも高い。そのため、ニュージーランドの生産者は、輸入業者と価格競争を行える環境にない。消費量の10%に満たない貴重なニュージランドの国産オリーブオイルが目指すところは、品質と優れた風味に尽きる。そこで、オリーブ・ニュージーランドは、2004年にOiveMark®認定プログラムの実施を始め、差別化を図っている。

 セミナーおよびディナー企画では、Taylor会長のForty Groves社の「Forty Groves Frantoio」をはじめ、「Simunovich Koroneiki」や「Robinsons Bay Grove Blend」「Simunovich Natural」など7種の日本未上陸のニュージーランド産EXVオリーブオイルをニュージーランド料理とともに味わった。
 なお、今年10月18~20日には、オリーブオイルに特化したアジア初の商談型国際見本市「オリーブオイル関西国際商談見本市」(大阪国際経済振興センター主催)がインテックス大阪で開催される。JOOTAは特別協力団体として、同見本市に携わっている。オリーブ・ニュージーランドも出展に前向きな方針を示している。