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不二製油グループ本社 16年度は飛躍のための意思ある踊り場に

 不二製油グループ本社は5月13日、浜松町東京會舘において2016年3月期決算説明会を開催し、清水洋史社長が決算概要やローリング中計「ルネサンス不二2018」、2016年度業績予想などを説明した。
 16年3月期の連結業績は増収増益となった。清水社長は「ビックリするくらい増収(前年比5.7%増の2,875億3,700万円)増益と言えないかもしれないが、それでも26億円の営業利益の増加(前年比18.5%増の168億4,000万円)は今の日本経済の中では良いのではないか。経常利益がその割に増えていない(同5.3%増の141億2,100万円)のは、為替で一部利益が出てこなかった。さらに純利益(同1.1%減の92億2,700万円)が増えていないのは、前年度の税金が安く済んでいた理由が関係している」と総括した。

 成長戦略については、チョコレート用油脂とコンパウンドチョコレートで世界トップ企業を目指し、両者を合わせた事業戦略を展開して、アジア・南米といった伸びる市場で同社グループの強みを活かす方針だ。ブラジルのハラルド社の買収やタイにチョコレート工場を新設した理由もここにある。日本、インドネシアや中国を含めたアジア、欧州、南米の既存工場以外にもチョコレート関連の工場新設を計画しているという。
 クリーム・マーガリン・フィリングについては、アジア、中国で伸ばし、南米ではハラルド社の販売網を活用した展開を狙う。大豆たん白事業では水溶性大豆多糖類に引き続き重点を置く。中国の水溶性大豆多糖類の需要は、14年度の400~500トンから15年度は1,300トンまで伸びた。天津の工場に新ラインを導入し、生産能力を引き上げており、さらに阪南工場に2つある水溶性大豆多糖類の工場のひとつの生産能力増強を計画しているという。

 17年3月期の業績予想は売上高3,100億円(前年比9.6%増)、営業利益175億円(同3.9%増)、経常利益160億円(同13.3%増)、当期純利益100億円(同8.4%増)としている。今期の営業利益は前年比7億円の増加を見込むが、前期の26億円増に比べると小さい。それでも4%増あるのだが、清水社長は「次への大きな飛躍のための意思ある踊り場」と表現した。
 「ルネサンス不二2018」で掲げる18年度の計画は売上高3,300億円以上、営業利益200億円以上、その先の2020年のあるべき姿としては、売上高3,500億円以上、営業利益280億円以上、営業利益率8.0%を掲げている。「今の延長線上でここに行かないのは明確。何をどう変えたらここへ行くのか作戦を練っている」という一端が、ここ1~2年のグループ本社制への移行やハラルド社買収や様々な設備投資に見える。